雨さん&山本さんでも、ゼロヨンの敵はやっぱりウエット路面(泣)【OPTION 1983年4月号より】

「車種問わず誰でも参加OK!今ドキDRAG計測会「トラゼロ」を観戦してきた【Play Back the OPTION Spin off】」でも書きましたが、ゼロヨンの敵は隣のアイツではなく、ウエット路面。

今回紹介するゼロヨンテストの記事も、そんな濡れた路面にガックシ…な感じです(泣)。しかしそこは、最強チューンドショップ、RE雨宮とRSヤマモト! この2台の実力の片鱗はしっかりと見えました!!

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【NEWチューンドカー ゼロヨンアタック】

RE雨宮自動車 RX-7・13Bペリ VS. RSヤマモト スカイライン・L型3Lツインターボ

ゼロヨン日本一、奪還の新兵器
雨宮RX-7・ゼロヨンSPL
11秒54(雨のち晴れ)

最高速、ゼロヨンのタイトル奪還を目指した、RE雨宮の新鋭ゼロヨン用RX-7が、いよいよ始動した。超軽量ボディ+13Bペリというこのマシンの設定は、雨宮のゼロヨンの、長年の経験が結集されたものだ。

13Bターボの実力は最高速288km/hと、自他共に認めるものだが、低速トルクが不足気味のターボは発進時のコントロールが難しく、またターボラグによるタイム損失も不可避のものだ。

そこで、あえてノンターボの13Bを搭載、低速重視のポートタイミング、絞り気味にセッティングされた吸入ポート形状を持つ、ゼロヨン専用のペリチューンを完成させたのだ。パワーは280〜300psというレベルだが、これはもちろん、ピークパワーを多少おさえても中低速のトルク増強を重視した結果なのだ。

このゼロヨン用13Bペリは、55年式RX-7をベースに、約800kgにまで徹底的に軽量化されたボディに搭載されるが、重量配分をノーマルの50:50よりもさらにリヤよりにするため、エンジンマウントとバルクヘッドを改造し、エンジン搭載位置を大幅に後退させている。このため、プロペラシャフトも切り詰められた。

サスはオリジナルのフロントショック、リヤはレース用アジャスタブルショックで固める。また、リヤサスには後輪を常に路面に対して垂直に保つラテラルロッドを追加、ロワアームのブッシュをピロボールに変更して、剛性アップにトライした。

今回のタイムもさることながら、ゼロヨンはあくまでペリでやる、という帝王の意地を、限りなくアスファルトに叩きつけて欲しいものだ。

この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
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