レッドブル・エアレースのワールドチャンピオンを獲得した室屋義秀選手、今年もスタートダッシュで連覇を目指す!

地上最速のモータースポーツ、レッドブルエアレースの2018年シーズンが2月2日(金)、3(土)にアブダビ(UAE)で開幕します。それに先立ち、1月18日東京都渋谷区のRed Bull Studios Tokyo Hallで室屋義秀2018 シーズンキックオフ記者会見が開催されました。

室屋選手がディフェンディング・チャンピオンとしてこれまでと異なる立場で開幕戦を迎える心境、 シーズンに向けた意気込みを語りました。

2017シーズンは「年間4勝(8戦中)と勝利数では圧倒した割に、もつれたシーズン」と振り返りました。

緒戦からのスタートダッシュを宣言しながらも、オーバーGで失格(ノーポイント)といきなりつまずいた開幕戦アブダビ(UAE)。しかし、2か月のインターバルを利用して、充分な体制を整え挑んだ第2戦サンデェゴ(アメリカ)でシーズン初勝利。

次の第3戦千葉は前年優勝。前戦の優勝もあり”2連覇・2連勝”の期待(プレッシャー)を感じる中、「ベストフライトでなかったものの、強運にも恵まれて優勝」と、初のランキングトップに立ち、好調の波に乗ったと思われました。

しかし、この後調子が下降。第4戦ブダペスト(ハンガリー)では3位表彰台に登ったものの、第5戦カザン(ロシア)ではラウンド・オブ・14で天候不良の中飛行し、敗退(ノーポイント)。ランキングトップから陥落。実はこの時、体調が完璧でないという操縦ミスと天候以外の原因もあり「反省材料満点だった」とのこと。

コンディションを整えて挑んだ第6戦ポルト(ポルトガル)ではレース会場で機体(フレーム)にクラック(亀裂)が見つかり、応急処置を施し6位。この時点でランキングトップのソンカ選手とは10ポイント差(総合4位)。第7戦ラウジッツ(ドイツ)では「強敵との直接対戦というリスキーな勝負に出ないとチャンピオンは獲れない」と、ラウンド・オブ・14を「ギリギリ”遅いタイムが勝ち上がる”」勝負を仕掛け、勝ち上がり、ラウンド・オブ・8でランキング2位だったチャンブリス選手と対決・勝利して、ポイント加算を阻止した上で見事優勝を果たしました。

最終戦インディアナポリス(アメリカ)戦開始前には、再びランキング2位につけ、首位のソンカ選手とのポイント差を4まで縮めましたが、優勝しても自力でのタイトルは獲得は出来ない状況。

「もうベストを尽くすしかない」と、通常より10日程前倒ししてアメリカ入りし、チームもいい状況でレースを迎えました。ところが予選の不調でラウンド・オブ・14で宿敵ソンカ選手との直接対決が実現してしまいます。「本当は当りたくなかった。」「メディア・TVにはとっても喜んで頂いたが、『まぁ、こんな事が有るかな』と思いましたが、ここでチャンピオンシップが決まると思って飛んでました」

そこでソンカに勝ち、「ほぼ決まった」と思っていたら「ファステストルーザーで、(ソンカ選手が)上がってきて、しかもファイナルまで上がってきた」

「もう面白くなってきちゃって。タイトルよりも、もう一回対決出来る事が本当に楽しかった」

「ファイナル4は”ゾーン”に入った状態で気付いたらとんでもないタイムが出ていた」2位と2秒以上の差には「戦略担当のベンジャミン(・フリーラブ氏)がウッソーという顔で映ってました」最終飛行で驚異的なタイムを出し、タイトルを獲得しました。