車検に通らない?フロントガラスの傷を発見したら、ウインドウ交換でクールベールでグレードアップ!

クリッカーでレポートを書いているライターの諸星です。我が家の乗用車は20年ものの日産ウイングロードなのですが、少し前に飛び石でフロントウインドウが傷ついてしまいました。当初のキズはいわゆる打点で、直系1mmにも満たない小さなキズだったのですが、生来の修理好きが運の尽き。通販でリペアキットを買って自分で直そうとしたら、“ピキッ”っとキズが走り長さ10cmくらいの亀裂になってしまいました。その後、洗車機に入れたら、キズは20cm以上に成長、さすがにこれでは車検に通らないので、フロントウインドウを交換することになりました。

どうせ交換するなら、ちょっとはグレードアップをしたいものです。そこで頭に浮かんだのが「クールベール」というガラス。このガラスは熱源である赤外線を90%、日焼けの原因となる紫外線を99%カットする機能が付加されたもの。20年もの我が家のクルマになんて当然のことながら純正では用意されていなかったタイプのパーツです。通常の「クールベール」はUV-Bに対して有効ですが、今回装着したのはさらにUV-Aにも対応したタイプの「クールベール・プレミアム」で、より紫外線を効果的にカットしています。

 

「クールベール」を扱っているのは純正ガラス製造でもおなじみのAGC旭硝子が100%出資する子会社のオートグラスですから、製品のクォリティは十分に高いものです。最近は価格の安いガラスが出回っていますが、フロントウインドウは視界に大きく影響する部分ですから、歪みのない確かな製品を選びたいものです。

車種にもよりますが純正パーツを使った際のフロントウインドウ交換はおおよそ10万円の予算です。それがクールベールになるとどうなるか? 気になるところですよね。じつはほとんど同じ金額、もしくは少し安いくらいの予算なのです。自動車メーカー純正品も製造しているのはガラス製造メーカー……これがクールベールの価格が抑えられている最大の理由です。ですから、車両保険や対物保険を使っての交換の場合でも認められるというメリットがあります。

DIY大好きな諸星ですが、さすがにフロントウインドウ交換は手に余ります。今回作業をしていただいたのは神奈川県大和市のヤマト自動車硝子という会社です。こちらの会社は自動車ガラスの交換作業だけでなく、問屋さんでもあるので在庫のあるガラスについては非常にレスポンスのいい作業をしていただけます。ちなみに我が家の20年ものウイングロードの場合は、メーカーにも存在がありませんでした。しかし、ガラスを製造するための型は残っていたので、新たに製造することができました。「クールベール」は多くの国産車に対応、輸入車についてはR50、R56のミニのみ対応しています。

 

職人さんの手により作業は2時間程度で終了。とても丁寧な作業で、適当に配線してあったETC、ナビ、レーダー探知機などの配線もきれいにやり直してもらってしまいました。作業そのものは2時間程度で終了するのですが、その後最低でも2時間はクルマを動かすことができません。接着剤が完全に固まるまでには24時間が必要とのことで、できればクルマをあずけて作業してもらったほうがいいとのことでした。今回は取材の都合もあり作業後2時間でクルマを引き取りましたが、接着剤がしっかり固まる24時間後まで、強い風圧がかかりボディの歪みも大きくなりがちな高速道路走行は禁止、内圧が強く影響しないようにドアを閉める際もゆっくり行うことを指示されました。

新品のフロントウインドウごしの視界は非常にクリアです。どんなにきれいにクリーニングしてもこのクリアさは得られないものです。それは20年間積もり積もったガラス表面の小さなキズがないからにほかなりません。「クールベール」はウインドウの上側にパープルブルーのぼかしが入っています。このぼかしは車検でも問題のないレベルで入れられています。西日が厳しい冬場はこのぼかしによって、まぶしさが軽減されとても運転はしやすいものになりました。我が家のクルマのボディ色が黒に近いため、ぼかしそのものも余り目立ちません。季節も大きく変化していない段階で車内温度の違いは実感できていませんが、面白いことが起きています。私の使っているナビはポータブルタイプで固定をせずに吸盤で装着しています。ときどきこの吸盤がはがれるのですが、「クールベール」に交換してからははがれる頻度が急減しました。吸盤がはがれる原因は吸盤内に存在する空気が暖められて膨張し、吸盤を広げるからだと言われているので、車内温度変化の抑制に役立っているのではないでしょうか。

数日後にユーザー車検を受けましたが、何の問題もなく車検をクリア。その後、快適にクルマを使用しています。

(文・写真:諸星陽一)

【関連リンク】
クールベール
https://www.coolverre.com/

ヤマト自動車硝子
http://www.carglass-yamato.co.jp/

この記事の著者

諸星陽一 近影

諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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