「実は狙っていませんでしたが、結果的にデ・トマソの香りがする1台になりました」ブーン スポルト パッケージ開発者インタビュー

--東京オートサロンではトールやコペンなど4モデルが『スポルザ』として展示されましたが、市販はブーン(『スポルト』として)が最初になりましたね。

芝垣「ブーン スポルザが好評を得た背景には、市場の潜在ニーズと合致したからだと思います。それはブーンの持つ絶妙なサイズ感です」

米山「ブーンの全長・全幅のタテヨコ比は当時の”熱い”ハッチバック車全般と非常に近かったのです。絶対値で見てもデ・トマソにはかなり近い(※編注:全長×全幅<mm>はブーン シルク=3660×1665、デ・トマソが3600×1575)」

米山「この絶妙なサイズ感が功を奏して、我々としては『ダイハツらしい要素を現代解釈して盛り込んでいっただけ』なのですが、出来上がってみると見事にデ・トマソ的になっていたという(笑)」

--なるほど!

米山「ブーンのサイズ感の良さは他にもありまして、ノーマルでの全幅が5ナンバーサイズ制限まではまだ余裕があるのです」

--昨今のコンパクトカーでは全幅が1695mmとサイズいっぱいになるケースも多いですが、ブーンは1665mmですね。

米山「そうなんです。だからフェンダーガーニッシュを装着してワイド感を出すことができました」

芝垣「デザインするにあたってはあくまでノーマルのデザインありきでいかに特別感を引き出すか、つまり『主張しすぎないが、明らかに違うこと』というコンセプトを持ちましたから、主題に沿うものでした」

--なるほど。それでは『スポルト』として量産化するにあたって注意したことはどこでしょう?

米山「好評を頂いたショーモデルを忠実に再現してもらうことを心がけました」

--よくわかりました。それでは今後の抱負を聞かせてください。

芝垣「今回、ショーモデルが皆さんの評価を得てモノ(市販車)になり純粋にとても嬉しいです。我々としては今後も、継続的にご要望にお応えできる”お客さんに近い会社”でいたいと思っています。まずは2018年早々の東京オートサロンで、このスポルトを含めた全出展車両への声援をお待ちしています。会場のスタッフに直接言って頂いても、現場のアンケート用タブレットからでも構いません」

米山「本当に皆さんの反応が非常に大事なのです。『これ欲しいな』と思ったら是非ともお声がけください。我々が展示する車両はいつでも市販車としてデビューする準備済みの、いわば『会いに行けるアイドル』ですから(笑)」

この記事の著者

ウナ丼 近影

ウナ丼

動画取材&編集、ライターをしています。車歴はシティ・ターボIIに始まり初代パンダ、ビートやキャトルに2CVなど。全部すげえ中古で大変な目に遭いました。現在はBMWの1シリーズ(F20)。
知人からは無難と言われますが当人は「乗って楽しいのに壊れないなんて!」と感嘆の日々。『STRUT/エンスーCARガイド』という名前の書籍出版社代表もしています。最近の刊行はサンバーやジムニー、S660関連など。
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