走行位置のポジショニングも可能。研究中のレベル2自動運転を披露したZFジャパン

11月初旬に開催されたZFの新技術発表イベント「Vision Zero Days Japan」では、現在開発途中となるレベル2自動運転のデモンストレーションも行われました。残念ながら運転することは叶わず、助手席での試乗となりました。

最初に試乗したオペル・インシグニアは単眼カメラとレーダーを組み合わせたシステムで、ウインカー操作によって自動車線変更が可能。

デモ車ではパソコンを操作して、車線内のどの位置に自車をポジショニングするかのコントロールも可能となっていて、パソコンを操作することで自車位置が右に左にと正確に移動することが確認できました。インシグニアはステアリングを操舵トルクでコントロールするという方式を採っています。

 

次に試乗したのはルノー・エスパスで、こちらのセンサーは単眼カメラのみで、レーダーは備えていません。ACCについては純正装備しているものをそのまま使用。レーンキープとレーンチェンジアシストがZF製で、それをデモンストレーションするモデルとなっています。車両周囲を確認する機構は備えていないので、安全確保はドライバーに任されていました。

エスパスはインシグニアと違いステアリング作動は切れ角で制御されています。切れ角での制御はより正確な操舵量が可能とのことです。エスパスのパワステはベルトドライブ式なので、操舵時のフリクションが少なく、自動運転との親和性が高いということです。

ZFは自動運転のセンサーと制御に対するアプローチも多方向から行っていることが確認できました。こうした装置は実車に搭載されてしまうと、なかなかどこのサプライヤーのものかが分からなかったり、明かされなかったりするので、今回の取材はとても得るものが多かったと言えます。

(文:諸星陽一/写真:IZM・小宮岩男)

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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