2017年暮れ、トヨタが「電動化技術説明会」なるメディア向けのイベントを開催しました。ハイブリッドでは世界を制する同社ですが、電気自動車においてはライバルの後塵を拝しているという大手メディアの論調もある中、いよいよ電気自動車テクノロジーの発表かと思いきや、会場に並んでいるのは初代から現行まで歴代プリウスの電動ユニットの部品群でした。
しかし、こうした展示を見て「トヨタは電動化の主役をハイブリッドと考えている(古いメーカーだ)」と批判的に捉えるのは間違いです。というのも、世界的なトレンドである『電動化』は100%電気自動車にするという話ではありませんし、すべてZEV(ゼロ・エミッションビークル)にするという話でもありません。部分的であっても電動化を取り入れることで二酸化炭素排出量を低減することがテーマです。つまり、欧州メーカーが言う『電動化』というカテゴリーは、電気自動車、燃料電池車、ハイブリッド(プラグインを含む)を指しているのです。
そしてグローバルにおける電動車両の新車販売規模は、2016年の実績で約323.2万台。そのうち140万台がトヨタが作ったクルマということです。シェアでいうと43%を占めるわけで、圧倒的なのです。