【新型ハイラックス試乗】10数年前とは隔世の感。今やトラックも豪華で楽ちん

13年ぶりに再販されているハイラックスは高いクロスカントリー性能を披露してくれましたが、それ以上によくできていたのがオンロードでの走りです。

オンロードの走りでは走行レンジは「2H」を使います。これは副変速機のギヤ比は高いほうを使う後輪駆動です。ハイラックスは荷台の積載重量が500kgの設定になっています。つまり500kgの荷重がかかっても、何の問題もなく走れる設定となっています。試乗は荷物はなし、いわゆるカラ荷の状態で乗ることになりますので、リヤサスペンションはかなり硬い状態ということになります。

 

しかし、走り出すとびっくりです。もちろん乗用車の乗り心地とはまるで違うものですが、積載量500kgのリーフスプリング車としては破格の乗り心地といっていいでしょう。ハイラックスのリヤサスペンションに使われているリーフスプリングは5枚構成となっていますが、通常は3枚がスプリングとしてメインで作用しています。荷重が増えると残りの2枚も作用するようになり、さらに各リーフが密着することでバネレートが高まり、重い荷重を支えるのです。昔の(といっても20年も近く前の記憶ですが)ピックアップの跳ねまくる乗り心地とはまるで違って、しっかりダンピングしてリヤのグリップ抜けも感じません。

搭載されるディーゼルエンジンは3400回転で150馬力の最高出力を発生、最大トルクは400Nmで1600〜2000回転という低回転で発生します。ミッションは一般的な6速のATで、ノーマルモードのほかにエコモードとパワーモードを備えています。

トルクは力強いものですが、ゆっくりとアクセルペダルを踏んでいけば加速感も穏やかで力強いもので気持ちよく速度を上げていけます。もちろんパワーモードを選び、さらにドンとアクセルペダルを踏んでやればかなりの力強さを味わえます。

かつてはトラックと言えば安全装備を省略することが多かったのですが、このハイラックスは自動ブレーキはもちろん、レーンデパーチャーアラートや、前後誤発進防止装置、VSCやTRCも標準装備していて、力強い動力性能だけでなく、安全性についても高い性能を確保していると言えます。

(諸星陽一)

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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