神社が好きで、一の宮はじめ様々な神社めぐりをしている筆者。特に山岳信仰や「岩」「湧水」「巨木」など自然のものを御神体として祀っている神社に惹かれます。
今回は、かねてから参拝したいと思っていた神社に行ってきたので、さっそくご紹介します。
山形県の【道の駅 あさひまち】から約16km、夏はキャンプ、冬はスキーもできる朝日山麓家族旅行村【Asahi自然観】の敷地内にあります。
【Asahi自然観】のキャンプサイトを過ぎてすぐ、右側に広い駐車場があり、入り口付近の大きな岩には神社名が刻まれています。
鳥居はありませんが、ここが参道の入り口です。ちょうど紅葉が見頃を迎えていました!
ブナの森を歩いて行くと、ぽつりぽつりとモニュメントが建っています。
まず「木」、そして「火」、「土」(写真)、「金」、「水」。「万物は木・火・土・金・水の5種類の元素からなる」という五行説から造られているようです。最後の「水」は手水舎の代わりでもあり、柄杓が置いてあります。
5分ほどで神社に到着しましたが、社殿がありません。
実は…ここは日本で唯一、ということは世界で唯一、空気そのものがご神体の神社なのです!
5m四方のステンレスでできた「鏡」が敷かれている、こちらが本殿。鏡板は、森羅万象・春夏秋冬のすべてを映し出す、つまり空気を光に変えて見せてくれます。
また、3mの深さの地下殿には素焼きの大きな瓶(かめ)が12個設置してあり、空気振動を音に変えて表すことができるという、たいへんユニークな造りになっています。
「空気」という御神体をどう表現するか、練りに練ったのでしょうね。
空気神社は、昭和48年(1973)に町の古老・白川千代雄さんが「空気の恩恵を人間は忘れている。世界に先駆けてわが町に空気神社を造ろう!」と提唱したのがはじまり。
この遺志を継ぎ、昭和63年(1988)に空気神社建立奉賛会を設立。紆余曲折の末、平成2年(1990)に建立されました。
空気神社の参拝の仕方は、ちょっと変わっています。
一般的には「二礼二拍手一拝」ですが、「二礼、四拍手(春夏秋冬をイメージ)、両手をV字に大きく挙げて天を仰いで深呼吸(空気・自然に感謝する)、一拝」です。
境内である森の中は空気が清々しくてとても気持ちがよく、時間が経つのも忘れてしまいます。思う存分、この空気を味わいに来てください!
ちなみに空気神社に神主さんはいませんので、御朱印もありません。
朝日町では世界環境デーに合わせ6月5日を「空気の日」に制定し、「空気まつり」を開催しています。地元の小学生による巫女舞「豊栄の舞」が奉納され、地下本殿が一般公開されます。
帰りには道の駅【あさひまち】にも立ち寄りました。
今の時季は何と言ってもりんごが大人気! 生搾りりんごジュースや完熟りんごソフトクリーム、輪切りのりんごと朝日町の放牧ブランド豚「あっぷるニュー豚(とん)」パテをはさんだ「引力バーガー」がおススメです。
また、りんごがたっぷり浮かんだ【りんご温泉】も道の駅から約3kmと近いので、ドライブの疲れを癒してください。
(松本しう周己)