トヨタの次世代タクシー「JPN TAXI(ジャパンタクシー)」の乗り心地・快適性は?

後席の座り心地は、足元、頭上ともに非常に広く、足を組めるほど余裕があります。また、頭上も身長190cmくらいの人が乗っても十分に余裕がありそう。さらに低床設計とリヤスライドドアにより、乗降性も良好で、これなら小さな子ども連れやお年寄り、さらに車いすの方でも従来のヒンジ式ドアよりも格段に楽になるはずです。

広々した後席で気になったのはシート設計。身長171cmの筆者には、背もたれがかなり寝ていているように感じます(リクライニングはせず固定式)。

さらに、座面の後傾角もやや足りないため、膝を少し前に出して体勢を崩した姿勢に自然となります。つまり、少し腰を前に出して、よく言えば「リラックスして座る」、言葉は悪いですが「だらしない姿勢で座る」がしっくりくるわけです。

これはタクシー利用者からの市場ニーズで決まった着座姿勢なのか、シート設計者が「これがいい」と思って決めたのかは分かりませんが、椅子に座る際の「正しい姿勢」で座ると、少し腹筋に力を入れる必要がありますし、長時間だと疲れを誘いそう。言い方は悪いですが、お酒に酔ってだらしなく座る際には快適かもしれません。

一方、運転席と同じ作りに見える助手席の座り心地は上々。サイドサポート、ランバー部のサポートもしっかりしていて、運転手さんも「腰痛を防ぐためになるべく背もたれを立てて座ります」という姿勢をサポートする良好な仕立てになっています。

荷室容量は401Lで、奥行きはそこそこという印象ですが、スーツケースは平積みで2つ、ゴルフバッグは4セット収納できるそう。ほかにも、ドアのグリップや運転席背もたれ裏にあるUSB端子付きグリップなど、タクシー利用者への配慮が随所にうかがえます。

(文/写真 塚田勝弘)

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この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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