日本の電動自転車はヨーロッパでは不評!? ボッシュの新型電動アシスト・ユニット発表から見えてくる世界の電動自転車事情

電動アシスト自転車は1993年(平成5年)にヤマハ発動機が世界で初めて発売した日本発の技術ですが、自転車の本場ヨーロッパではボッシュ製などの電動アシスト・ユニットが市場の大部分を占めています。

そんな中で、ボッシュが新型電動アシスト・ユニット「Bosch eBike Systems(ボッシュ・イーバイクシステム)」を発表しました。2018年発売の「Trek」「Tern」「Corratec」「Bianchi」などの有名自転車ブランドに採用されることが決まっているだけでなく、日本の自転車メーカーへの売り込みも狙っています。

ではなぜ、ヤマハ発動機の電動アシスト・ユニットがヨーロッパ市場で主流を占めることができなかったのでしょうか?それにはふたつの大きな理由があります。

まず第1に、ヤマハ製のチェーン合力と呼ばれるシステムは、バッテリーを座席の真下に配置する必要があり、バッテリーの配置が自由度が高いボッシュ製のクランク合力というシステムと比べて、欧州で好まれるスポーツタイプのデザインの自転車に適さないという問題がありました。

第2に、日本では法規制でモーターによるアシスト力はペダルの踏む力に比例させる必要がありますが、欧州ではそのような規制はありません。そのため、欧州の人々にとっては日本方式のアシスト制御はアシスト力の変化が大きすぎて違和感を感じさせてしまう問題もありました。

この現状に対して本家のヤマハ発動機も、ここ数年で現地の好みに応じた製品を投入してヨーロパへの輸出に本腰を入れており、ヨーロッパ市場での現地勢とヤマハ発動機との競争が激しくなっています。今後の電動アシスト自転車の世界市場で、ボッシュなどのヨーロッパ勢とヤマハなどの日本勢のどちらが主流を占めることになるのかに注目が集まっています。

(山内 博・画像:ボッシュ)