日本の自動車マーケットにおいて、ミニバンというカテゴリーは大きな存在です。その中でもメインストリームとなっているのが、5ナンバー(小型車)サイズのボディを基本としたM(ミドル)クラスと呼ばれる商品群。具体的には、トヨタ・ヴォクシー/ノア/エスクァイア、日産・セレナ、ホンダ・ステップワゴンが競っています。
ちなみに、直近のMクラス・ミニバン販売台数は次のようになっています。トヨタの三兄弟合計で8.9万台に達して過半数を占めるほどの圧倒的な人気で、ステップワゴンは最下位となっています。
■2017年度上半期(4月~9月)新車登録データ
トヨタ・ヴォクシー 39,988台
日産・セレナ 37,503台
トヨタ・ノア 29,489台
トヨタ・エスクァイア 20,038台
ホンダ・ステップワゴン 18,994台
※自販連調べ
ステップワゴンにはリアゲートが縦・横に開く「わくわくゲート」という唯一無二の特徴があります。そして、ステップワゴンのオーナーにアンケート調査をすると5人にひとりが「わくわくゲート」を選択理由に挙げるほど評価されています。しかし、それだけではライバルに対して差別化するアイテムとしては足りないということを、販売データは示しているといえます。
またパワートレインも課題です。これまでステップワゴンは1.5リッターVTECターボという税制上有利なダウンサイジングターボエンジンを搭載。ここでもライバルと違うアプローチを取っています。しかし、トヨタのミニバンが売れていることからもわかるように、Mクラスミニバンにおいて、いまやハイブリッド比率は45%。フルハイブリッドを用意するトヨタ、マイルドハイブリッドを中心とした日産に対して「ダウンサイジングターボ」というアプローチは、ユーザーマインドに合致しきれていないキライもあります。
そこでステップワゴンは大胆なマイナーチェンジを果たしました。同モデルの主流(販売の8割を占める)というSPADA(スパーダ)に、オデッセイ譲りの2.0リッター「スポーツハイブリッド i-MMD」を与え、さらにフロントマスクを押し出しの強いデザインにガラリと変えてきたのです。
今回、その新しく生まれ変わったステップワゴン・スパーダ・ハイブリッドに高速道路から市街地、ワインディングまで幅広いシチュエーションで試乗することができました。