ジャン・トッドFIA会長が表彰式でプレゼンター!ドリフト世界戦で「FIAの本気」を見た。【IDC2017】

9月30日からお台場特設会場で開催されている、世界初FIA公認ドリフト世界戦であるFIA Intercontinental Drifting Cup(IDC2017)。

同じ日程でF1マレーシア戦が開催されているというのに、なんとFIA国際自動車連盟のジャン・トッド会長がこのFIA Intercontinental Drifting Cupに訪れました。モータースポーツの頂点と言われるF1以外でFIA会長が大会に訪れると言うのは極めて異例なことで、ジョン・トッド会長の周りにはその一挙手一投足を注目する多くのマスコミが集まっていました。

今回のIDC2017はジャン・トッド会長の強い支持の元で委員会が結成され、これまでFIAに公認のなかった新ジャンルの大会としては異例の早さで開催にこぎつけたという経緯があります。ジャン・トッド会長はこれについて「モータースポーツの裾野を広げるのに最も適したジャンルがドリフトである」と明言しています。追走、FIAドリフトではバトルランと表現しますが、そのバトルランのオープニングセレモニーではジャン・トッド会長が自ら登壇し、この世界大会の開催を喜んでいると挨拶しています。

オープニングセレモニーの挨拶が終われば、とんぼ返りでまた新たなスケジュールに向うのかと思いきや、なんとドリフトを生観戦。通常、こういったVIPが観戦する場合は屋内のモニターの前でするものですが、ジャン・トッド会長は表彰台の設置されるステージの上での観戦。コース全体がよく見える場所ではありますが、タイヤスモークを直接かぶるという位置でもあり、相撲で言えば砂かぶり席のようなポジションです。

ジャッジの必要な場面であれば、その裁定がどのように行われているのかをプロモーターである株式会社サンプロスの齋田社長に質問しまくると言う場面も。

また、走行の終わったドライバーにも積極的に話しかけ、ドリフトの魅力を探っていきます。ジャン・トッド会長は真剣にドリフトを世界に広めようとしているのがはっきりとわかるシーンでした。

9月30日のIDC2017 DAY1。この決勝戦は川畑真人選手と斎藤太吾選手の日本代表同士の対決。1回では勝負がつかないギリギリの戦いはワンモアタイムの導入で2回戦目に突入。

そのギリギリの戦いを勝ち、この日の優勝となったのは川畑真人選手。

その表彰式にプレゼンターとして登場したのは、なんとジャン・トッド会長!大会イメージガールの太田麻美さんから優勝の楯を受け取ると、それを川畑選手に授与。その後も2位の斎藤選手、3位のアルカーシャ選手にも楯を手渡していきます。

FIA会長が選手に楯やトロフィーを渡すシーンなど、F1でだって見かけません。

競技中はタイヤスモークを浴びながらの観戦、そして表彰式ではプレゼンターとして登場するなど、ジャン・トッド会長はドリフトを肌で感じることに専念していたかのように思えます。そこにはドリフトを大きく発展させようというFIAの本気を感じました。

日本発祥のモータースポーツであるドリフトは、このIDC2017で大きな飛躍を迎えることでしょう。

(写真・文:松永和浩)

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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