さて「うまい」にいきますよ。
新型スイフトの凄さのなかでも最大といえるのは車両重量。なんと1トン切りを達成し、MT車は970キロ、AT車でも990キロに収まっているんだから驚かないわけにはいかない。いちばん効いているのはプラットフォームを新設計かな。
それがどう「うまい」につながるかといえば、走りに決まっているじゃないですか。
運動性能、すなわちコーナリングも減速も、クルマは軽いに越したことがないのは常識。新型スイスポはまだ試乗していいからあんまり大きなことは言えないけれど、旧型の出来の良さから考えれば走って楽しいのは間違いないでしょ。絶対楽しいって! だって旧型よりも軽いんですからね。
そもそもこのスイフトは、スズキのなかでもっともスポーティなモデル。普通車では唯一のスポーツカーと言ってもいいでしょう。
そんなスイフトですよ。スズキが気合を入れて運動性能を磨いてくるに決まっているじゃないですか。だから「うまい」なんです。
それから「安い」。価格は6MTが183万6000円、6ATが190万6200円。ターボエンジンを積んだスポーツモデルがオプションをつけなければ200万円切り。コスパ重視のスーパーである西友もきっとビックリの、驚きの低価格じゃないですか。こんなに安くていいの?
というわけで、「はやい」「うまい」「やすい」と3拍子揃った新型スイフト。こんなに試乗が楽しみなクルマもなかなかないと個人的には思っていますよ。
ところでスズキの皆さん、渾身の作品であるスイスポと牛丼を横並びにしちゃってゴメンナサイ。でも褒めているんだから許して!
(文:工藤貴宏/写真:平野 陽)