9月6日、JXTGエネルギーは「ENEOS」、「エッソ」、「モービル」、「ゼネラル」のブランドで全国展開されているガソリンスタンドのサービスステーション(以下、「SS」)を「ENEOS」に統一すると発表しました。
2017年4月、JXエネルギー(JX)と東燃ゼネラル石油(東燃)が経営統合しましたが、ガソリンスタンドのブランドとしては、JXで使ってきた「ENEOS」と東燃が使ってきた「エッソ」、「モービル」、「ゼネラル」の計4ブランドを継続してきました。
しかし、ガソリン需要が減るなか、JXTGエネルギーでは「顧客の利便性の最大化」および「統合シナジーのさらなる積み上げ」という点から最も多くのスタンドを展開している「ENEOS」に統一することが同社にとって最適なブランド政策であると決定したそうです。
なお、2017年7月末現在で、SS(サービスステーション)の数は「ENEOS」が1万243カ所、「エッソ」は1803カ所、「モービル」は1004カ所、「ゼネラル」が518カ所となっています。
日本から消えることになる「エッソ」は、1961年にエッソ・スタンダード石油が展開されて以来、2017年まで約56年続いてきました。
また、「モービル」は、ライト兄弟の初飛行やリンドバーグの大西洋横断単独飛行を支えた「モービロイル(Mobiloil)」で知られ、日本ではソコニーとヴァキュームオイルが1893年(明治26年)に横浜に日本支社を設立したそう。ガソリンスタンドとしての「モービル」も50年を超える歴史を誇り、「ゼネラル」は、戦後に設立されたゼネラル物産が国から石油元売会社の指定を受け、総合石油企業として発展。「ゼネラル」も半世紀を超える歴史がありました。
SSブランド統一でユーザーとして気になるのは、ブランドにより異なる添加剤のブレンドが異なるプレミアムガソリン(ハイオク)が選びにくくなる、ポイントカードなどが引き続き使えるかなどでしょう。
なお、ブランド統合により2017年度下期からカードシステム開発の詳細検討を開始し、全国の系列SSのブランド統一(サインポール・防火塀塗装など)は、2019年度中の完了を目指すとしています。
ガソリンスタンドの経営や契約形態には、元売所有(直営)、特約・販売SS(資本関係あり、なし)、地場系など多岐にわたっていますが、ブランド統合により同じ「ENEOS」同士の競合や減少する一方のガソリンスタンドがさらに淘汰されるのか気になるところです。
(塚田勝弘)