今回の大幅商品改良では、アイサイト・ツーリングアシストの採用だけでなく、ドアガラスの板厚アップなどにより静粛性を高めているのも特徴です。
そして、こうした進化はアイサイトのレベルアップと密接に関連しています。アイサイト・ツーリングアシストはステアリングを握っている必要はあるものの、高速道路の単一車線においては「ほぼ自動運転」といえるほどドライバーは操作をすることがありません。
スバルによれば高速道路走行中にアクセル・ブレーキの操作時間が96%減になったというデータもあるそうですが、実際アイサイト・ツーリングアシストが働いている状況ではアクセルとブレーキの操作はほぼ不要。アッと思うような割り込みでも0.2G程度のブレーキングでしっかりと対応しますし、先行車がいなくなれば指定速度までスパッと加速するのでストレスも溜まりません。
むしろ、右足の置き場としてフットレストが欲しいと思ってしまうほど(実際にはブレーキを踏めるように待機しておく必要がありますが)。一方でステアリングアシストについては、キツめのコーナーではキャンセルされることもありますが、首都高でも7割程度はアシストしている印象です。
そうしたドライビングアシストのおかげでドライバーがリラックスできると気になってくるのは、ドアミラーの風切音など走行ノイズです。とくにレヴォーグの初期モデルでは高速走行でのノイズは気になるものでした。それが、最新モデルではほとんど気にならないレベルまで静粛性が向上しているのが確認できました。
唯一気になるのはタイヤ由来のロードノイズくらいでしょうか。とくにWRX S4はダンロップのスポーツ系タイヤを履いているので仕方がない面もありますが、もっとコンフォート寄りのタイヤを選べば、さらに快適なツーリングが楽しめそうです。
とはいえ、スバルがレヴォーグやWRX S4において目指しているのは自動運転技術による快適性だけはありません。ドライバーズカーとしての運転する愉しさも追求しています。とくにクルマへの信頼感を高めるハンドリングのためにはワイドなスポーツタイヤというのは欠かせない存在ともいえます。そうした部分での仕上がりは、クローズドコースでの試乗にて確認済み。
ドライビングの愉しさと運転支援システムによるリアルワールドでの安心感、その両面で高いレベルに仕上がっている最新のレヴォーグとWRX S4。スバル史上最高といえる「どこまでも走って行きたくなる」グランドツーリング性能を手に入れたといえそうです。
(写真提供:SUBARU 文:山本晋也)
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