マツダCX-5で名古屋から能登へ。「日本の美ってなんだろう」の旅【後編】

長々とお付き合いいただいたこの旅行記も、いよいよ最終回。海辺を抜けたら山間部を走り、能登半島の北西部に位置する輪島市へ。言わずと知れた「輪島塗」の街です。

■輪島塗のふるさとにて

輪島市文化会館には、世界最長の漆芸パネル「潮の奏(うみのうた)」が展示されています。漆芸作家63人の手で完成されたというパネルには、潮騒の中を飛ぶアジサシの姿が描かれていました。

漆の艶、繊細な細工の魅力とともに、どこか海の荒々しさや自然の峻厳な面持ちを感じます。

輪島塗は元来、生活のうつわとして発展を遂げたものなのだそうです。厚い木地、地元の土を用いた頑丈な下地、何代と使い続けても美しさを保つ上塗り。比類ない堅牢性や使い勝手の良さが、日本を代表する漆芸のビッグブランドの背景をつくりました。

そして絢爛豪華な蒔絵を施された器や、時代を超える芸術作品の数々も、その遺伝子を受け継ぎながら飛躍を繰り返して生まれたと思うと、なんだかかっこいい!

そんなことを思いつつCX-5のことを考えてみると、その基盤にはSUVの原義的な使命がはっきりと投影されているように感じます。例えば力を感じさせる足回りや、たくましい顔つき。街乗りにもきちんとハマるスポーティーでスタイリッシュな雰囲気。

しかし、それらはただ「SUVっぽさ」の記号としてあるのではなく、全体の演出と呼応して、あらたに新鮮で独特な世界観を作るための要素になっているような気がします。

ちょっと我ながらわけわからないことを言っておりますが、様式を尊重し、また様式のみに固執せず飛躍する。そんなところが、輪島塗とCX-5の似ているところかな?などと感じました。

この記事の著者

くぼきひろこ

くぼきひろこ 近影
もともと一族郎党モーター好きな家庭に生まれたんですが、なぜか私だけクルマにあまり興味がなく…。偶然のご縁があってクリッカーと関わるようになりました。様々なクルマやその周りの人々と出会いに恵まれ、最近なんとなく「あれ?クルマ、もしかしてすごく好きかも??」そんな思春期のような心持ちです。知識も経験もほぼゼロからスタート。そして今も限りなくゼロに近いですが、クルマ愛の萌芽をたよりに、いつか一番好きなスタイルを見つけられたらと思っています。