マツダCX-5で名古屋から能登へ。「日本の美ってなんだろう」の旅【中編】

■能登の海は碧かった!

2日目は、能登半島をめぐり金沢へ。夜には小松空港から東京へ戻るという旅程です。

まずは和倉温泉を出発し、さらに能登半島を北上。「輪島塗り」や「朝市」で有名な輪島市を目指します。ドライブの前半は、能登島大橋や国道249号など、海辺の風景を堪能できるルートをとりました。

能登の海辺が素晴らしいのは、有名な絶景スポットはもちろん、何気なく通り過ぎる海辺の小さな町の1つ1つがとても美しいこと。「玄関開けたら海」というレベルでベイサイドに建つ家々の屋根は、おおむね「能登瓦」と呼ばれる艶々の黒い瓦で葺かれています。

海風や、塩、厳しい冬など、能登の自然の中で人の暮らしを守るための瓦。そのツヤ黒が、群青にも碧にも見えるような能登の水の色によく映えて、まるでそこにあるのが必然のように見えました。計算づくではなく、この自然、この色彩の中で育った人たちのセンスが、おのずから作り上げた美しさなのではないでしょうか。

そういえば旅の2日目は、相棒が代わりました!

1日目はソウルレッドクリスタルメタリックのクリーンディーゼル車でしたが、この日はマシーングレープレミアムメタリックのガソリン車です。CX-5といえば、やはり赤のイメージが強かったのですが、こちらの「マシーングレープレミアムメタリック」も素敵。シブく抑えた雰囲気に見えて、実はとてもドラマチックです。

光るところ、翳るところ。輝きが絶妙にコントロールされて、本来の造形美を際立たせます。そうして見るCX-5のかたちは、日本の自然の中でまるであつらえたように調和していました。能登の村の風景のように。

日本の作り手たちが、日本の風景に育てられた感覚を否定せず、それを改めて注視すること。それがクルマという西洋的なモノに新しい世界を広げつつあるのかな…なんてつらつら考えながら、旅は続きます。

次の後編でこの旅行記も終わり。最後は輪島から千里浜を経て、金沢方面へ向かいます。

つづく

(文:くぼきひろこ/写真:ダン・アオキ)

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マツダCX-5で名古屋から能登へ。「日本の美ってなんだろう」の旅【前編】
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この記事の著者

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くぼきひろこ

もともと一族郎党モーター好きな家庭に生まれたんですが、なぜか私だけ車にあまり興味がなく…。偶然のご縁があってクリッカーと関わるようになりました。様々な車やその周りの人々と出会いに恵まれ、最近なんとなく「あれ?車、もしかしてすごく好きかも??」そんな思春期のような心持ちです。
知識も経験もほぼゼロからスタート。そして今も限りなくゼロに近いですが、車愛の萌芽をたよりに、いつか一番好きなスタイルを見つけられたらと思っています。
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