マツダCX-5で名古屋から能登へ。「日本の美ってなんだろう」の旅【前編】

■理にかなうこと。五箇山にて

次に訪れたのは、五箇山IC近くの「菅沼合掌造り集落」。9戸の合掌造り家屋が現存する、小さな世界遺産です。

立ち並ぶ切妻造りの茅葺き屋根は、豪壮でノスタルジック。夏の日差しの中、ただただ美しいものに見えます。

しかしもちろん合掌造りは、冬の間に降る重い雪に耐えるためのもの。そして堅牢で大きな構造は、塩硝づくりや養蚕などの仕事に貢献するものなのだそうです。

それが現代の私たちの目に「美」として映るのは、とても興味深いことです。

理にかなってこそ、本質的な美しさを獲得できる。道具としてのクルマも、また同じ宿命を持っていると思います。

CX-5はデザインが効いているし、いい感じに目を惹くけれど、ケレン味やケバさは感じさせない。独特の魅力は、やはり「人が乗る」ということを深く追求して、無駄が削ぎ落とされているところから来るのかな…とかなんとか感じながら、いよいよ宿泊先の能登へ向かいます。

つづく。

(文:くぼきひろこ/写真:ダン・アオキ)

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くぼきひろこ 近影

くぼきひろこ

もともと一族郎党モーター好きな家庭に生まれたんですが、なぜか私だけ車にあまり興味がなく…。偶然のご縁があってクリッカーと関わるようになりました。様々な車やその周りの人々と出会いに恵まれ、最近なんとなく「あれ?車、もしかしてすごく好きかも??」そんな思春期のような心持ちです。
知識も経験もほぼゼロからスタート。そして今も限りなくゼロに近いですが、車愛の萌芽をたよりに、いつか一番好きなスタイルを見つけられたらと思っています。
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