マツダCX-5で名古屋から能登へ。「日本の美ってなんだろう」の旅【前編】

■清流の町、郡上八幡

東海北陸自動車道は、おおよそ長良川に沿って走る道。清流のほとりには日本の美しいスタイルが残る町や村落がたくさんあります。

まず立ち寄ったのは「郡上八幡」。昭和8年に再建された郡上八幡城の天守のもと、古い家々が立ち並ぶ美しい城下町です。

山や川と、人の営み。

古い建物が見世物としてではなく、しっかりと生活の場として息づいているのが印象的でした。

現代にあっても、たたずまいは自然に溶け込むように、あるいは天然をすべて身の内に受け入れるように。恵みであり外敵でもある自然の中で、支配するでもなく服従もせずそこにある強いもの。

郡上八幡の町と、そこを走るCX-5の姿を見ていたら、そんなことを思いました。

それは新色ソウルレッドクリスタルメタリックとフォルムの組み合わせが、映り込みをとても美しく見せているからかもしれません。山里の夏の景色が、まるで湖面にたゆたうようにボディを流れて。新しいクルマなのに苔むした石垣にもピタッとハマります。

一方ではSUVの躍動感や、現代的な洗練を。他方では、あくまで日本的な、自然と人との『美しい曖昧』への回帰をも果たしつつあるように感じられて、不思議なクルマだなこりゃ。と感じました。

この記事の著者

くぼきひろこ 近影

くぼきひろこ

もともと一族郎党モーター好きな家庭に生まれたんですが、なぜか私だけ車にあまり興味がなく…。偶然のご縁があってクリッカーと関わるようになりました。様々な車やその周りの人々と出会いに恵まれ、最近なんとなく「あれ?車、もしかしてすごく好きかも??」そんな思春期のような心持ちです。
知識も経験もほぼゼロからスタート。そして今も限りなくゼロに近いですが、車愛の萌芽をたよりに、いつか一番好きなスタイルを見つけられたらと思っています。
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