しっとりした乗り味と機敏なハンドリングを併せ持つ、若々しい大人のセダン【トヨタ・カムリ試乗】

コーナーリング性能は高く、ステアリングの微少舵角からしっかりとクルマが動きだす俊敏さを持っています。コーナリングフォースの立ち上がりにカドがなく、スムーズに曲がり始めますが、その後の力強いグリップ感はミドルセダンらしいしっかりしたもの。スポーティでありながら軽薄さはなく、重厚さにあふれています。

フラットライドを基本とした乗り心地も、セダンに求められる要件を十分に確保。細かい振動から大きな段差乗り越えのショックまで上手に押さえ込んでいます。

ただ、グレードによって乗り心地には大きな差があり、ミシュラン・プライマシーを履く17インチはきわめて静かで快適性が高いのですが、ブリヂストン・トランザを履く18インチは高周波ノイズが目立つ傾向。またステアリングの手応えのリニア感も17インチのほうが高かったです。

 

(諸星陽一)

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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