「モエルゥ」なアシに萌えられる ニューC3は正統派シトロエンだった!【CITROËN C3試乗】

ところが、新しいC3の「揺らぎ感」ときたら、まさしくハイドロの動きそのもの。1000㎏ちょっとの車重にハイドロかくやの乗り味は、もはや80年代の名車「BX」の再来とすら感じられた。いや、全長4mを切るニューC3はBXよりコンパクトだし、3気筒の1.2Lターボのピュアテック110を積むだけに、鼻先の動きは軽い。しかもデザインもいたって21世紀的だ。

LEDとヘッドライトが2階建てになった顔つきはC4ピカソから、ドアサイドの「エアバンプ」と呼ばれるスニーカーのソールのような衝撃吸収クッションや、内装の雰囲気は、人気ながら限定モデルに終わったC4カクタスに準じる。近頃、ヤル気のないデザインの多かったBセグのコンパクト・ハッチバックで、こうも元気でポップなデザインは、見ていて気持ちをアゲてくれる。実際、SUVではないが、見た目は車高の高いクロスオーバー風。シートに腰を下ろした時の視線もヘタなSUVより高い。

水平基調で、ラウンジかサロンのような内装は、C4カクタスに似て落ち着きリラックス路線といえるが、意外にもシートは横方向のサポートがよく、コーナーでお尻がズレることもない。リアシート中央にもヘッドレストを備えるなど、居住性や快適性の面で「しょっぱい」と感じるポイントが見当たらないのだ。強いてあげれば乗り降りで身体を支える天井のハンドルが省かれている点だが、上着をかけるフックは備わっている。