走り出すとさすがにディーゼルという低回転からトルクフルな加速が味わえる。アクセルペダルを踏んでいくと無理しないで力強いという感触で軽快に走る。ATは8速なので段差や途切れのない加速が続く。
ハンドリング性能はとても素直だ。直進付近の微小操舵での反応もよく、ドライバーとの一体感もある。ワインディングロードではハンドルがダイレクトで正確なので走りやすい。
アクセルペダルとのコンビネーションでドライバーの意思通りのライントレースが可能だ。ヘッドアップディスプレイが付いたが、車速だけでなくナビの行き先表示もカラーで出るから見やすい。
乗り心地はやや硬めではあるが、ピョコピョコ跳ねたり、乗員が揺すられたりするような振動がないので快適である。ちなみにタイヤはブリヂストン・テュランザT001Iの225/55R17 97Wだった。
パワーアップ版のクーパーSDにも試乗した。こちらはALL4と呼ばれるAWDである。スポーティバージョンだけあって、ハンドルの裏側にはパドルシフトが付いている。
タイヤは225/50R18 99WというピレリP ZEROの18インチになった。タイヤの幅は変わらないがロープロファイルになったことにより、より高荷重でのグリップアップになっているはずだ。つまり攻め込んでいったときに負担がかかるパートのタイヤが負けないでしっかりグリップしてくれるということだ。
実際に走ってみると確かにどっしりした安定感はDよりSDの方がある感じだ。そしてよりハイスピード寄りのサスペンションセッティングになっている感じがした。箱根のワインディングロードのスピードでは安定性があるというか、Dよりアンダーステア傾向が強めではある。DSはパドルシフトを駆使し、サーキットをハイスピードで走るとちょうど良いのかもしれない。
ATのセレクターレバーの根元にはドライブモードを切り替えるスイッチがある。スポーツ、ミッド、グリーンというネーミングで3つのモードから選べる。グリーンはBMWでいうエコプロに相当する。スポーツを選べばDレンジのままでも低いギヤで高めのエンジン回転数をキープしてガンガン走るのに適している。
低回転から力があるディーゼルによって想像以上に楽しく走れる。そして、こんなに大きくなったクロスオーバーでもMINIのゴーカートフィーリングは健在であるのも魅力のひとつだ。
(菰田 潔)
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