大きくなったクロスオーバーでもミニのゴーカートフィーリングは健在。低回転から力があるディーゼルで楽しく走れる【MINI CROSSOVER試乗】

乗り込む前にMINIクロスオーバーを単体で見ていると大きさを感じないが、他のクルマと並ぶとその大きさを実感するからおもしろい。

実際に座ってみると窮屈感がないどころか前後方向だけでなく左右方向にもゆとりがある。さらに全高も30mmアップしたお蔭で室内空間はかなり広く感じる。シートの座り心地も良い。あまりソフトでないところがちょうど良い感じで、身体をしっかりとホールドしてくれる。

ハンドルはチルト、テレスコピックで調整でき、シートは電動で動く。その調整範囲が広いからジャストフィットできる体型範囲が広そうだ。路面からシートクッションまでの高さが、乗り降りにはちょうど良い。腰が痛いという高齢者にはありがたい。

後席もゆとりがあって、さらにエアコンの吹き出し口も後席用のものが新設されたので快適だ。プレミアムコンパクトと呼ぶにふさわしい仕上げになっている。

インテリアの質感も向上している。しっとりした感じで、ドアの内張りやダッシュボードの仕上がりも良い。革シートは多くのステッチが入って、プレミアムカーの雰囲気を漂わせる。

ダッシュボード中央のやや下にある赤いタンブラースイッチを押すことでエンジンがかかる。アイドリング時の騒音はややうるさい。これはエンジンが暖まっても同じで、燃料を圧縮するポンプの音か、ガチャガチャした音が聞こえる。ただ走り出してしまうとまったく気にならない。エンジン音自体が小さくなるのか、他の走行音にかき消されてしまうからだ。これは高回転(ディーゼルだから4000rpm程度)まで回しても同様で大してうるさくならない。

通常ドライブはアイドリングストップ機構も付いているし、クルマを止めたままアイドリングしなければ問題はない。ただし日本人はアイドリングしたままにしている人が多いからコンプレインが出るかもしれない。