大きくなっただけでない、パッシブセーフティの充実もMINIクロスオーバーの特徴【MINI CROSSOVER試乗】

MINIクロスオーバーがフルモデルチェンジを果たし、プレミアムコンパクトセグメントのSAVとして登場した。

先代のときから、こんなに大きいのはMINIじゃない!というヤジも聞こえていたが、確かにイメージは昔のミニそのままではあるが寸法はかなり大きくなっている。

今回のモデルチェンジでも全幅は1790mmから1820mmになり、ついに3シリーズセダンより広くなった。全高は1550mmから1595mmに成長(?)し、今度は高さ制限がある機械式駐車場には入れなくなった。大きいことに反発するのはMINIという名前から来るもので、SAVとしてはボディが大きいほど人気があるのは世界中共通。だからそこを目指しているのだろう。

今回出た3車種はすべてディーゼルエンジンを搭載している。BMWジャパンもかなり思い切った戦略を立てたのかなと思ったが、実は先代も2014年から導入したディーゼルエンジン車の比率が8割から9割に達していたというから、ガソリンエンジンをラインナップしない方が効率は良い。

もう1車種遅れて登場するのはガソリンエンジンを搭載するが、外部から充電できるハイブリッド、PHEVである。

ディーゼルエンジンはB47C20A型と呼ばれる2リッター4気筒のBMWの最新型エンジンである。最高出力110kW(150ps)/4000rpm、最大トルク330Nm/1750ー2750rpmを発揮する。ハードは最新の320dに搭載しているものと同じだが、FWD用に横置きにしパワーとトルクは控えめにしている。

MINIクーパーDはFWDだがMINIクーパーD ALL4はAWDである。トランスミッションからパワーを引き出し、電子制御湿式多板クラッチを介して後輪に伝える。通常走行ではFWDのように走るから燃費には有利で、いざというときには前輪がホイールスピンする前からAWDにするフォワード制御で安全に走れる。これは2シリーズアクティブツアラーと同じシステムである。

MINIクーパーDのあとにSが付くとエンジンがパワーアップしたモデルになる。140kW(190ps)/4000rpm、400Nm/1750ー2500rpmと頼もしい。このエンジンパフォーマンスは320dと同じで、クロスオーバーではMINIクーパーSD ALL4だけに搭載される。