大きくなっただけでない、パッシブセーフティの充実もMINIクロスオーバーの特徴【MINI CROSSOVER試乗】

 

テールゲートは足をバンパー下から後に引く動きで、クルマに触れずに開けることができる。これをトートマチック・テールゲート・オペレーションと呼ぶ。車庫の屋根が低いケースも考えて、ゲートが開く角度は車両設定で変更できる。閉めるときも同じ動作をすれば自動で閉めることができる。

同じMINIでもクラブマンは左右に開くドアを持っているが、1回目の足の動きで右側のドアが開き、2回目には左のドアが開くという凝ったものだ。クロスオーバーもフルモデルチェンジを機に装備された。

 

ラッゲージルームの手前側の床板を持ち上げると裏側から床下に格納されていたクッションが出てくる。これをリヤバンパーの上に垂らせば腰掛けとして使うことができる。これはピクニックベンチと呼ぶ。操作はとても簡単で扱いやすい。

ダッシュボード中央にはMINIらしい円形のモニターがある。これまでと同じようにMINIコントローラーでブラインドタッチでもできるが、モニターがタッチパネルになったので直接入力が可能になり、停止中の文字入力などは便利になった。

ドライビングアシストとアクティブクルーズコントロール(ACC)が標準装備になった。クロスオーバーのACCはMINIで初めてストップ&ゴー機能が付いている。これで高速道路での渋滞も怖くない。

停車後3秒以内に前車が再スタートすれば、再発進も自動で行われる。停車が3秒を超えるとアイドリングストップして待機する。前車がスタートするとアイドリングストップから復帰してエンジンがかかることでドライバーに知らせてくれる。

アクセルペダルを少し踏むか、ACCのリジュームスイッチを押せば、先ほどセットしてあったスピードまで前車との車間距離を保ちながら加速していくから使い慣れると便利だ。ACCで設定できるスピードは140km/hまで。

 

衝突回避、被害軽減ブレーキも装備された。前方車両または歩行者と衝突が回避できないとクルマのシステムが判断すると、警告音と警告表示(点滅)を発する。同時にプログラムされたシステムが自動的にブレーキをかけてくれる。5〜60km/hの範囲で作動する。ちなみに歩行者の場合は10〜60km/hの範囲になる。

前車接近警告機能も含めてこのようなパッシブセーフティが充実したのも、大きくなっただけでない、今度のMINIクロスオーバーの特徴だ。

(菰田 潔)