試乗したRはハッチバックではなくワゴンのヴァリアントでした。エンジンの出力は310馬力とかなり強力です。ヴァリアントはFFではなくフルタイム4WDとなります。
停止状態からスタートすると、まさにロケットスタートといった印象のスタートをします。アクセルを踏みきっているとシフトアップのたびに「バフン」と大きな排気音を響かせながら加速します。
トルクの塊のような加速感は、直4ターボというよりもV6ターボのようなフィーリングでゴルフとは別次元のクルマという印象です。
RのDCCはGTIの4モードに加えて「レース」が加わります。RではGTIでは可変されなかったダンパーの減衰力も可変されます。このため「コンフォート」で走ると、びっくりするくらいに快適なのです。
GTIはよく動くサスペンションによって、スポーツモデルとは思えない快適的を持っていますが、Rの「コンフォート」モードはGTIのノーマルをしのぐ快適さとなります。
ところがこれを「レース」にすると、足まわりはまさにレーシングカーのようなガチガチのフィールになります。近頃のロードカーでは出会うことがなかった、激しいバウンシング(上下動)を伴う乗り心地にはちょっと驚かされますが、高速コーナリングでの安定感は抜群でまさにレーシングカーフィール。公道で走っていてはもったいない印象となります。
スポーツドライブを楽しめるだけでなく、ロングドライブやデートドライブ、さらに普段使いでも十分に使えるマルチパーパスな面を持っているのがGTIとRです。
(諸星陽一)
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