とにかく速いゴルフ GTIとR。それでいて乗り心地も十分【VWゴルフ・GTI/R試乗】

試乗したRはハッチバックではなくワゴンのヴァリアントでした。エンジンの出力は310馬力とかなり強力です。ヴァリアントはFFではなくフルタイム4WDとなります。

停止状態からスタートすると、まさにロケットスタートといった印象のスタートをします。アクセルを踏みきっているとシフトアップのたびに「バフン」と大きな排気音を響かせながら加速します。

トルクの塊のような加速感は、直4ターボというよりもV6ターボのようなフィーリングでゴルフとは別次元のクルマという印象です。

RのDCCはGTIの4モードに加えて「レース」が加わります。RではGTIでは可変されなかったダンパーの減衰力も可変されます。このため「コンフォート」で走ると、びっくりするくらいに快適なのです。

GTIはよく動くサスペンションによって、スポーツモデルとは思えない快適的を持っていますが、Rの「コンフォート」モードはGTIのノーマルをしのぐ快適さとなります。

ところがこれを「レース」にすると、足まわりはまさにレーシングカーのようなガチガチのフィールになります。近頃のロードカーでは出会うことがなかった、激しいバウンシング(上下動)を伴う乗り心地にはちょっと驚かされますが、高速コーナリングでの安定感は抜群でまさにレーシングカーフィール。公道で走っていてはもったいない印象となります。

スポーツドライブを楽しめるだけでなく、ロングドライブやデートドライブ、さらに普段使いでも十分に使えるマルチパーパスな面を持っているのがGTIとRです。

(諸星陽一)

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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