技術世界一を目指した8代目、R32スカイラインの「超感覚」とは?【スカイライン60周年記念】

時はバブルの最盛期、ハイソカーブームは益々活況で「4ドア+高級+高性能」のマークⅡ・3兄弟の勢いは、とどまるところを知りませんでした。

ハイソカー市場で劣勢の日産は、プラットホームを共有する4ドアミドルクラスで車種ごとに個性を明確化する戦略を企画。高級はローレル、カジュアルはセフィーロ、そしてスポーツはスカイラインという3つのフォーメーションで挑んだのです。

また、当時日産は、90年代に技術世界一を目指す「901運動」を推進していました。技術陣はポルシェやベンツに追い付け追い越せで、燃えに燃えていたと聞き及んでいます。

そして「個性明快フォーメーション」と「901運動」の2大戦略によって、R32スカイラインは高級感や居住性にとらわれることなく、走行性能の向上に注力することができたのです。

ちなみに当時の個性明快フォーメーションを企画したのは、後にV35スカイラインでFMプラットホームを開発し、現行GT-R の開発責任者を務めた水野和敏氏その人。筆者は今でも、この時期に登場した「スカイライン・ローレル・セフィーロ」は、本当に魅力的だと思っています。