レクサスの新型「LC500」「LC500h」に採用された炭素繊維複合材料のサプライヤーが判明

トヨタが新型車に炭素繊維を採用する動きが目立っていますが、レクサスの新型「LC500」「LC500h」に採用された炭素繊維複合材料のサプライヤーが判明しました。

これは、三菱ケミカルが同社の炭素繊維複合材料である SMC(Sheet Molding Compound)が、2017年3月に発売されたレクサスの新型クーペ「LC500」「LC500h」のドアインナー及びラゲッジインナーという2部材に採用されたことを発表して明らかになったもので、併せて新型プリウスPHVのバックドア骨格も同社がサプライヤーであることが発表されました。

新型プリウスPHVのトヨタによる発表の際には、バックドアのどんな部材に炭素繊維が採用されているかは明らかになりませんでしたが、今回の三菱ケミカルによる新型「LC500」「LC500h」のドアインナー及びラゲッジインナーについての発表では、より詳細な情報が発表されました。

自動車の軽量化のために炭素繊維が自動車の素材として注目されていますが、新型「LC500」「LC500h」のドアインナー及びラゲッジインナーに使われている炭素繊維強化プラスチック (CFRP)は、中間基材としてSMCが採用されています。

このSMCは、長さ数センチにカットされた炭素繊維を樹脂中に分散させたシート状の材料のことで、複数のSMCを組み合わせてプレス成形することで完成した部材の形に 2~5 分程度の短時間で加工できます。

このため、SMCはプリプレグという連続した長い炭素繊維に樹脂を含浸させた中間基材を使う場合より、複雑な形状の部品を成形しやすいという利点があります。

さらに、SMCは機械特性が均質に近く、いままでの部材設計ノウハウを活かしながら炭素繊維を使うCFRPの軽量・高強度という利点を実現できる特長もあります。

三菱メミカルでは今後、炭素繊維の採用を他の自動車部品へ広めていきたいとしています。

(山内 博・画像:トヨタ)