ドイツを本拠とする化学会社のBASFは、同社の耐熱性ポリアミド「Ultramid Endure(ウルトラミッド エンデュア)」が、2017年に発売されたアルファロメオの新型「ジュリア」の2つのエンジン部品に採用されたことを発表しました。
BASFの「ウルトラミッド エンデュア」が材料に使われているのは、排気量2.0リットルエンジンのターボチャージャーシステムに使われているエアインテークマニホールドと高温側ターボダクトの2部品で、高温側ターボタクトはカナダのABC Groupが製造し、エアインテーク間にホールドはマニエッティ ・マレリが製造しました。
BASFでは、「ウルトラミッド エンデュア」が高温と激しい振動にさらされる新型「ジュリア」の2部品に採用されたことに対して、220°Cまでの耐熱老化性を持つ「ウルトラミッド エンデュア」を採用することで高温の環境下で働くエンジン部品を樹脂化することができると、「ウルトラミッド エンデュア」の耐熱老化性・優れた加工性・高い溶接強度を強調しています。
新型ジュリア用の高温側ターボダクトは、BASFとカナダの自動車部品メーカー・ABC Groupの協働で開発されました。
ABC GroupのCEOであるマリアン・ブシュケン氏は、「成形、溶接、綿密な検証を通して数多くの樹脂試験を行った後、この用途の条件を満たすことができました。この部品には、多くの溶着接合が必要です。当社のエンジニアたちは、BASFの材料・接合技術の専門家たちと緊密に協力し、この部品特有の要件を理解し、IR溶着における微調整を施し、厳しい高温ダクトの溶着プロセスを成功させることができました」と、両社の協力が成功のカギであることを強調しています。
フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)グループのマニエッティ・マレリが製造したアルファロメオ・ジュリア用チャージエアクーラー搭載エアインテークマニホールドの開発にも、BASFが貢献しています。
マニエッティ・マレリのスロットルボディ担当プロダクト・マネージャーであるマルセロ・コロリ氏は、「BASFの技術サポートはこの部品のバースト要件を満たす上で、非常に有益でした。BASFの溶接におけるノウハウにより、耐熱性を持つこの材料を使い、長期耐久性の目標を達成することができました」と、BASFの技術サポートを高く評価しています。
(山内 博・画像:BASF)