ミッドシップRX-7、ミラクオーレ、パルサーEXAも走った![83年の谷田部テスト前編]

これでもKか!? メカチューンのしびれる加速!

ドン633ミラ・クオーレ by ドン・エンタープライズ

最高速=133.83km/h/ゼロヨン=18秒7

ミラクオーレはスタイリッシュなので、チューニングベース車としても面白い。そのパワーアップも、ターボではなく、メカチューンというのがいい。このドン633キットもソレックスキャブ仕様で、レスポンスのいい加速が気持ちいい。そのパワーも50psとまではいかなくても強力だ。

レブリミットは7800rpmというが、1速はアッという間に吹け切り、2速、3速の加速もKとは思えない速さだ。ゼロヨン18秒台コンスタントの実力には舌を巻く。さすがに、4速にシフトアップすると加速力は鈍るが、これはノーマルの4速ギヤがハイギヤードなためもある。それでも、最高速は6500~6600rpmまで回り、133km/hオーバー、チューナーによると140km/hを狙っていたらしいが十分な性能である。このミニ・ギャングの楽しさは、トップスピードより街中での加速にあり、信号グランプリではリッターカーをカモれるのが面白い。

純正ターボに負けるか! 1.5Lクラス初のツインターボだ

パルサーEXAツインターボ by ATS-BM

最高速=207.49km/h

チューニングターボの特徴は、爆発的なパワーだ。その反面、低回転域はカッタルイというのが定説である。しかし、このEXAターボはブースト圧が1.5kg/cm2というにもかかわらず、しかも圧縮比が6.8と低いのに、低中速域が気にならずに走れる。これは、小型タービンをツインにした成果だろう。むろん、4000rpmを超えてからの加速がさらに強烈なのはいうまでもない。

が、どうもクラッチが7000rpm以上ですべってしまい、5速に入らないトラブルも発生した。このため、ゼロヨン計測は出来ず、最高速だけクラッチをだましながらアタックする。

タコメーターはジワジワ上昇していくが、6500rpmあたりで、ややガスが切れるような兆候を発生。これはキャブ調整でセッティングできるだろう。バンクでサスペンションがふらつく点も気になる。最高速テストでは、もう少し固めたほうがいい。それでも、軽く200km/hオーバーのポテンシャルは高い。1.5Lオリジナルエンジンのターボチューン、ツインターボの秘めた実力はスゴイ。

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なかなか手強い色物マシンが揃っていますね! [後編]では、RE VS. 2T-Gスターレットに、懐かしのN360改N500レーシング仕様まで登場します!

[OPTION 1983年8月号より]

(Play Back The OPTION by 永光やすの)

この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
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