三菱重工、自動運転機能付きの消防ロボットを開発。人が近づけない場所で消防活動

三菱重工業は、石油コンビナートでの火災など人が近づけない場所での放水を想定した消防ロボットの「放水砲ロボット」と「ホース延長ロボット」の試作機を開発したと発表しました。

「放水砲ロボット」は、人が近づけない場所でも自動運転で走行し、無人で放水し、「ホース延長ロボット」は、最大300mの消防用ホースを自動運転で敷設して水を供給する機能を備えています。

「放水砲ロボット」と「ホース延長ロボット」には、「偵察・監視ロボット」(飛行型・走行型の2種類がある)と「指令システム」を加えて「消防ロボットシステム」が構成され、このシステム全体は消防車1台に搭載できる設計になっています。

この消防ロボットシステムは、総務省消防庁のプロジェクトに同社が参画して開発したもので、4月14日に調布市の消防研究センターで、消防ロボットの一次試作機の動作を実証する実演公開が実施されました。

同プロジェクトで同社が開発した「放水砲ロボット」と「ホース延長ロボット」は、農業用小型バギーを改造した専用車体にRTK-GPS・LRF・IMU・オドメトリからなるGPSやレーザーセンサーを搭載して、2台を消防用ホースで接続して火元へ向かって走行させる自動運転機能を備えています。

「放水砲ロボット」は、長さ:2,000mm、幅:1,400mm、高さ:2,200mm 、重量:1,600kg で、放射ノズルは1分間に4,000リットルの水・泡を圧力1.0メガパスカル(MPa)で放射する性能を持っています。

「ホース延長ロボット」は消防用ホースを最長300m搭載可能で、曲がり角をカーブしながら、目的の経路上を自動運転で走行して、放水砲ロボットの走行に合わせて自動でホースの送り出しと巻き取りができます。

今回の試作機は石油コンビナートを想定したものですが、先日のアスクルの倉庫火災のように、人が近づけない火災現場が増えており、今後、このような消防ロボットの活躍が期待されています。

(山内 博・画像、動画:三菱重工業)