新世代プラットフォームを得た新型は旧型からどのように進化したか?【新型スバルXV試乗】

旧型のXVに試乗したとき『ステアリングのギア比がクイックなこともあって、荒い運転ではロール方向の動きが大きくなってしまい、運転リズムを崩しやすいかもしれません』と記したことがありました。

車高の高さを上手く押さえ込んではいましたが、物理的な重心高の高さにアンバランスさを感じるシーンがあったということです。

そうした、ちょっと無理をしている部分は、今回の試乗において旧型のハンドルを握ったときにも感じられました。言うなればサスペンションの伸び側と縮み側でストローク感が異なります。このストロークにおける違和感の解消は、新型における重要なテーマだったはずです。

そして、新型XVでは最低地上高を200mmとしたSUVシャシーに合うようサスペンションアームの変更やスペーサーによるサブフレームのかさ上げなどフットワークには多くの手が入っています。

つまりジオメトリーを最適化したことで、旧型にあった違和感がなくなっているのです。たとえばステアリングを右に左に回すようなクランク路においても、切り替えし時にギクシャクするようなことはありません。

それに加えて、新世代プラットフォームですから、後輪の接地感は圧倒的に増して感じられるのは、安心感につながります。冒頭で触れたようにギャップをいなす実力は高い上に、安定感まで身につけているのです。

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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