明るいボディと素材色のコントラスト ─ 新型スバル・XVのデザインが目指したもの(後編)

── 先代同様、切削タイプのアルミホイールは18、17インチの2種類がありますが、それぞれのモチーフは何ですか?

「18インチは、コンセプトカーのVIZIV 2のサイドラインのV字をイメージして、それを5つ配置したものです。17インチは先代の正常進化版で、より立体感を与えました。いずれも、XVだけにマッチするデザインとして考えています」

── ボディカラーでは、オレンジの色合いがより明るく変更されていますね

「先代は、下地が透けないよう塗装の際に白を混ぜていたんですね。今回はラインを改良してそのままの色で塗装が可能になり、オレンジ色の彩度も上がったんです。新型のインテリアは全車オレンジのステッチを施しましたが、この明るいオレンジと合うように考えたものなんです」

── では最後に。新型はあくまでもXVとして、先代の評判をうまく引き継げたとお考えですか?

「はい。先代が評価された大径タイヤとプロテクターによる安定感、特徴あるホイールデザイン、そしてカラーアワードも受賞した新鮮なボディ色。これらすべての点で進化ができたのではないかと思います」

ハッチバックの「クロス化」は世界的な流行ですが、単にモールを追加して車高を上げただけでは物足りない。そこにどんなアクセントやスパイスを施すかが問われます。XVは、先代の成功でそのあたりの勘所をつかんだのかもしれません。

[お話を伺った方]

株式会社SUBARU
商品企画本部 デザイン部
デザイン部長兼商品開発企画部長 石井 守 氏

(インタビュー:すぎもとたかよし)

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冒険心を感じる世界観を創りたい ─ 新型スバル・XVのデザインが目指したもの(前編)
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この記事の著者

すぎもと たかよし 近影

すぎもと たかよし

東京都下の某大学に勤務する「サラリーマン自動車ライター」。大学では美術科で日本画を専攻、車も最初から興味を持ったのは中身よりもとにかくデザイン。自動車メディアではデザインの記事が少ない、じゃあ自分で書いてしまおうと、いつの間にかライターに。
現役サラリーマンとして、ユーザー目線のニュートラルな視点が身上。「デザインは好き嫌いの前に質の問題がある」がモットー。空いた時間は社会人バンドでドラムを叩き、そして美味しい珈琲を探して旅に。愛車は真っ赤ないすゞFFジェミニ・イルムシャー。
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