タイヤ交換直後のセーフティーカー導入により、順位を下げる結果となってしまったベッテル選手もここで諦めるわけにはいきません。
リカルド選手、ライコネン選手と表彰台をかけた3位争いを繰り広げます。全マシン、ドライタイヤを装着したものの、まだ濡れている場所もあるのでオーバーテイクは相当のリスクが伴います。それでも、素晴らしい走りでベッテル選手はチームメイトのライコネン選手をパス。
22周目にはリカルド選手との激しいバトルの末、3位に浮上。タイヤ同士を接触させながらのサイドバイサイドはしびれました!
リカルド選手をパスしたベッテル選手は、今度はフェルスタッペン選手を追い掛け、すぐ後ろまで迫りプレッシャーをかけ続けます。29周目、ミラーで後ろのベッテル選手を確認していたフェルスタッペン選手が痛恨のミス! 左フロントタイヤを激しくロックしてしまい、ベッテル選手に先を越されてしまったのです。
そしてラスト10周、3位表彰台をかけレッドブルのチームメイトバトルが勃発! フェルスタッペン選手は前を走る周回遅れのマシンに、早く道を空けるよう無線でチームに何度も訴えます。リカルド選手は、最後の最後まで諦めずに仕掛けていきましたがフェルスタッペン選手が見事3位を守り切りました。
スタンドを埋め尽くすたくさんのファンに見守られるなか、ハミルトン選手が完璧な走りで今シーズン初優勝! タイヤ交換のタイミングで一時は5位まで下がったベッテル選手も2位フィニッシュで、フェラーリの速さを見せつけました。
さて、話は冒頭に戻りますが、スタート時に一人だけドライタイヤを履いていたサインツJr選手。スタート直後、スピンしてしまい最後尾まで順位を落とすも、その後他のマシンがドライタイヤに変えタイヤの温まりで苦しんでいるなか、ファステストラップを叩き出しながら見事7位入賞! スタート時のスピンが悔やまれるものの、ただ一人勝負に出たサインツJr選手は最高にかっこよかったです!!
難しい路面コンディションでチームのタイヤ戦略とドライバーの実力が試され、ドキドキ、ワクワクする楽しい中国GPでしたが、私的に印象に残っているのがハミルトン選手の優しさ。
中国GPのグランドスタンドは、毎年ドライバーの応援フラッグを持ったファンで埋め尽くされるのですが、今シーズン初優勝を勝ち取ったハミルトン選手の人気も絶大で「Team LH」と書かれた応援フラッグがたくさん振られていました。
実はセッションを行うことができなかった金曜日フリー走行2で、ハミルトン選手は寒空の中セッションスタートを心待ちにしていたファンがいるグランドスタンドへ駆け寄り、その場でチームキャップにサインを書きプレゼントしたのです!
スタンドにいたハミルトン選手のファンは大興奮!! フリー走行を見ることができなかったのは残念でしたが、きっと忘れられない、最高の思い出になりましたよね。それにしてもハミルトン選手、やることがかっこよすぎ! テレビで見ながら私も大興奮でした。ファン想いなハミルトン選手が、この中国GPで優勝できて本当に良かったです!!
中国GPリザルトは以下の通りです(ポイント圏内のみ)。
順位/No./ドライバー/チーム
1/#44/ルイス・ハミルトン/メルセデス
2/#5/セバスチャン・ベッテル/フェラーリ
3/#33/マックス・フェルスタッペン/レッドブル
4/#3/ダニエル・リカルド/レッドブル
5/#7/キミ・ライコネン/フェラーリ
6/#77/バルテリ・ボッタス/メルセデス
7/#55/カルロス・サインツJr/トロロッソ
8/#20/ケビン・マグヌッセン/ハース
9/#11/セルジオ・ペレス/フォースインディア
10/#31/エステバン・オコン/フォースインディア
(yuri)