「R35型」日産GT-R、デビュー後10年の深化を読み解く!

2013年9月30日には、独ニュルブルクリンクでミハエル・クルム選手が駆る「GT‐R ニスモ」が「7分8秒679」という、それまでのGT‐Rのベストラップを一気に10秒以上短縮する量産車最速タイムを記録したことが話題になりました。

そして2014年モデルからは開発責任者が水野氏から田村CPSにバトンタッチ。2014年2月に究極のGT-Rとも言える「GT-R ニスモ」が市販されます。

デビュー当初480ps/60kgmだった3.8L V6エンジンはニスモ・チューンにより、600ps/66.5kgmにまで高められ、車体はボンディング(構造接着剤)で剛性を向上。

特注のビルシュタイン製ダンパーや、カーボン製のフロントバンパー、ウイングタイプのリヤスポイラーを装備したモータースポーツ仕様車となっています。

さらに2014年11月には「GT-R ニスモ」に採用した技術を部分的に採り入れた標準モデルとの中間グレード「トラックエディション」を追加。エンジンや空力装備は標準モデルと変わりませんが、ボンディングや専用部品を流用することで、よりスポーツ走行に適したパフォーマンスを実現しています。

2016年7月には標準モデルが本格的なマイナーチェンジを受けたことで、翌8月には「トラックエデイション」、「GT-R ニスモ」ともに2017年モデルに移行。

 

ニッサン・モータースポーツ・インターナショナルは1月13日、ニュルで最速ラップタイムを記録した車両に装着していた専用パーツを、「GT-R ニスモ」の2017年モデル用にパッケージ化した「NISMO N Attack Package」を発売しました。

今回、同社はベストラップを記録したミハエル・クルム選手が、富士スピードウェイで「NISMO N Attack Package」をテストする様子を収めた動画を公開。迫力の全開サウンドを聞くことができます。

このように、2007年の登場から10年が経過する6代目GT-Rですが、その進化は現在も続いており、2017年モデルではそれまでの「速さ」に加え、「走り」が熟成されたことにより、「運転して楽しいクルマ」になったと評判も上々のようです。

次期モデルにもこれまでの「深化」が脈々と受け継がれる事を期待するとともに、新たな高みを目指して、今後も日本の技術で世界の強豪に挑戦してもらいたいものです。

(TEXT/PHOTO: Avanti Yasunori、NISSAN)

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日産 GT-R NISMO N-Attack Package
http://www.nismo.co.jp/omori_factory/original_menu/nap/

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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