レガシィに代わって世界ラリー選手権(WRC)に参戦用車両として開発されたのが、1992年11月より販売開始されたスバル・インプレッサです。
当時のWRCはルールでベース車からの改良は限定されてたので、インプレッサは市販車でもボンネットをはじめ、フロントフェンダー、フロントロアアームなどにアルミ素材を採用しています。
プラットフォームは初代レガシィのものを流用していますが、4ドアセダンのボディサイズは全長4350mm×全幅1690mm×全高1405mmと、フットワークを向上させるためコンパクトになっています。
ボディタイプは4ドアセダンのほか、5ドアハッチバックのスポーツワゴン。そして1995年には2ドアクーペのリトナと、最低地上高を高めてクロスオーバーSUVとしたグラベルEXを設定しています。
搭載される水平対向4気筒エンジンは2ターボを筆頭に2L DOHC、2L SOHC、1.8L SOHC、1.6L SOHC、1.5L SOHCの5種類。さらに1998年3月に限定400台では販売された22B- STIバージョンには、輸出用の2.2L DOHCターボエンジンを搭載していました。
スポーツモデルのWRXはレース部門を管轄するSTIがチューンを施したSTIバージョンを設定。1994年に登場したコンプリートカーのWRX STIを皮切りに、バージョン6まで登場。バージョン3からは最高出力が当時の自主規制値280psを達成し、バージョン4からはセダン、5ドアハッチバックに加えて2ドアクーペも用意されました。
インプレッサは1993年の世界ラリー選手権(WRC)・1000湖ラリー(フィンランド)より参戦し、デビュー戦でいきなり2位に入ってそのポテンシャルの高さを実証しました。
1995年にはマニュファクチャラーズ、ドライバーズのダブルチャンピオンを獲得。翌年もスバルはマニュファクチャラーズチャンピオンを2年連続で獲得しました。
初代インプレッサは小型車としては8年という長いモデルライフとなりましたが、22B-STIをはじめ、WRX STIは絶大な人気を誇っていて、現在でも中古車は高値を維持しています。
(萩原文博)