【覚えてますcar】世界最小V6エンジン(当時)を搭載したスペシャリティ「ユーノス・プレッソ」

日本がバブル景気に湧いていた1980年代後半、マツダがトヨタや日産に対抗して販売店の5チャンネル化を進めたことがありました。その5チェンネルとは「マツダ」、「アンフィニ」、「ユーノス」、「オートザム」、「オートラマ」というもので、それぞれに専売品を用意するなど明確に区別していたのも記憶に残ります。

取り扱いモデルでいうと現在は一本化していますが、5チャンネルのために当時は多種多様なラインナップが用意されていました。その代表といえるのが「ユーノス」というブランドが車名を示すまでになった「ユーノス・ロードスター」ではないでしょうか。

さて、当時はシトロエンを扱うなど洒落た雰囲気を出していたユーノス店。その名前を冠したクルマとして『当時、世界最小V6エンジンを搭載』という記録の残るスペックを掲げて、1991年6月にデビューしたのが「ユーノス・プレッソ」です。

1990年代の市場トレンドから小型車サイズ(いわゆる5ナンバーサイズ)のボディですが、これまた当時のトレンドであった「スペシャリティ」カテゴリーに分類されるスタイルとなっています。大きなテールゲートには後方視界を確保するためのエクストラウインドウが与えられていたのも印象的です。

話題を集めた世界最小V6エンジンの総排気量は1844cc、最高出力は140馬力で前輪を駆動します。サスペンションは四輪ストラット、当時としては低扁平タイヤといえる205/55R16を履いていたことも、スペシャリティクーペとしての個性を強めるものでした。

兄弟モデルとして1.5リッター4気筒エンジンを積む「オートザムAZ-3」も存在。V6のプレッソ、直4のAZ-3という区別をしていましたが、結果的にプレッソにも1.5リッター4気筒エンジン搭載グレードも設定されたのでした。

(山本晋也)

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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