トヨタの新型「プリウスPHV」で注目の新機能の一つに、駆動用電池のソーラー充電があります。この新しいソーラー充電機能について、ソーラーパネルと駆動用リチウムイオン電池のサプライヤーの電気大手パナソニックが詳細を発表しました。
clicccar読者の皆さんの中には、先代プリウスにもオプションで車体天井にソーラーパネルを装備するソーラー充電が用意されていたことを覚えておられる方もいらっしゃると思います。
しかし、先代プリウスのソーラー充電は、駆動用電池を充電するには能力不足で、トヨタでは先代プリウスのソーラー充電の使い方として、夏季駐車時の車室換気用電源に使うことを提案していました。
当時から「せっかくソーラー充電を搭載するなら駆動用電池のソーラー充電を可能にしてEV走行距離を伸ばしてほしい」という要望があり、今回のフルモデルチェンジでその要望が実現することになりました。
新型「プリウスPHV」のソーラー充電の能力は、「10日間、露天でソーラー充電すると駆動用電池が満充電になり、カタログ値で68.2kmをEV走行できる」充電能力があり、ユーザーが気付かない間にソーラー充電が行われて、EV走行の距離が伸びたり、燃費が向上することが期待できそうです。
パナソニックによると、従来できなかった駆動用電池のソーラー充電が可能になったポイントは、次の3点です。
1.ソーラーパネルの大出力化で180Wの発電能力を達成
2.ソーラーパネルを車体天井に合う3次元曲面に形成
3.夏季に車体天井の温度が80℃に上昇しても発電能力を維持できるソーラーパネルの性能向上
このソーラー充電システムは、パナソニックが住宅用に培ってきたソーラーパネルの技術を活用したもので、高出力で温度が上昇しても出力低下が少ないヘテロ接合型太陽電池の開発によって実現したということです。
いままで家電メーカーとしてのイメージが強かったパナソニックは、今後、住宅と車載用途を新たな経営の柱とする考えで、同社の車載分野での活躍にも注目が集まっています。
(山内 博・画像:パナソニック)
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