エンジンに取り込む空気の量を増やすことで、出力アップと同時に効率も向上したとしています。さらに、スパークプラグ点火式エンジンとして初めて採用された 350bar(パール)の直噴システムをはじめ、自然吸気のF1エンジンで開発された可変インテークシステムなどを採用。なお、この可変インテークシステムは、特別限定バージョンの 「F12tdf」に搭載されたシステムを進化させたもの。
組み合わされるトランスミッションは、フェラーリ製F1デュアルクラッチ・トランスミッション。サーキットで要求されるパフォーマンスと 8,900rpm という許容最高回転数に合わせて進化していて、ギヤレシオはクロスレシオ化され、高いギヤでのピックアップを損なうことなく、加速性能も引き上げられているそうです。
また、強烈なパワーを存分に引き出すべく、さらにより重要になる重量配分の達成のため、フロントのエンジンとリヤのトランスミッションをつなぐトランスアクスルも進化。さらに、またフェラーリとして初のEPS(電動パワーステアリング)を採用するなどドライバビリティに影響を与える挑戦も注目のひとつです。
エアロダイナミクスもF12ベルリネッタから大幅に向上し、機械的に作動するアクティブモバイルエアロダイナミクス、気流圧によって作動するパッシブモバイルエアロダイナミクスなどの可変エアロデバイスによって、ドラッグ値を抑制。
さらに、新設計されたリヤディフューザーにより、アンダーボディからの気流をより強力に後方に向けて拡散できるようになったそうです。バンパー内の深い窪みにウイングが設置され、上面からの気流と下面からの気流をディフューザーに設置されたスプリッターに当てることで、ダウンフォース量も12%も増加させるなど、パワーアップに対応したエクステリアとなっています。
(塚田勝弘)