GMの子会社であるオペル(ドイツ)が、グループPSA(旧PSA・プジョーシトロエングループ)に売却されることになりました。
今年に入ってからPSAによるオペル買収が一部で報道されていました。オペルはイギリスのボクスホール(日本語ではボクソールなどとも表記されてきました)とともにGMの欧州事業を行ってきたため、今回のオペル売却によりGMは事実上、欧州から撤退となります。GMのメアリー バーラCEOの音頭により、どこまで北米と中国で稼ぎ、EV開発などで先頭を走れるかが注目です。
イギリスのボクスホールを含めて買収総額は22億ユーロ(日本円で約2651億円)で、PSAはBNPパリバと共同で取得。
GMは北米、中国という2つの軸に注力し、赤字続きだったオペルを手放すことで、規模(台数)を追うよりも収益力を高めるのが狙いと思われます。
一方のPSAグループは、フォルクスワーゲンをはじめ、同じフランスのルノー(日産・三菱連合)と比べると規模で大きく差を付けられています。オペル買収で約430万台規模となり、これはフォルクスワーゲンに迫る台数となります。
PSAのカルロス タバレスCEOは「PSAのノウハウでオペルを蘇らせる」と語っています。オペルは欧州で知名度が高いものの、GMが長年赤字を解消できなかっただけに、PSAのノウハウに加えて、プラットフォームやパーツの共有化、購買などでコスト削減を図っていけるか注目が集まります。
(塚田勝弘)