雪上試乗会で実感したレンジローバー・スポーツの真の価値

長野県は斑尾高原で開催された雪上試乗会で、レンジローバー・スポーツを駆ってモーグルや急勾配の坂などがある特設コースを走りました。なお装着されていたウインタータイヤはピレリの「スコーピオン・ウインター」で、サイズは255/55R20(1本6万5880円)。

前(下)が見えないような急な下り坂や壁が迫る狭いコーナーなどでは、ボンネットの先が見切れると安心感がより高まりますが、レンジローバー・スポーツは正真正銘のコマンドポジションを取ることが可能で、視界の良さは失われておらずひと安心。

また、スポーツの名が付いても肝心要の悪路走破性に抜かりは一切なく、試乗前に運営側から指示があった「車高を最も高くして」、テレイン・レスポンス2を「草地/砂利/雪モードにして走行。この状態だとモーグルも急勾配の坂も何事もなかったようにクリアしてしまいます。

 

そこで舐めるようにゆっくりと坂道やモーグルを走ると、アクセルペダルの入力に対して(欲しい駆動力)きめ細かい制御がされているのがうかがえます。片輪の接地性が少なくなるモーグルでは、「テレイン・レスポンス2」はもちろん、「ダイナミック・レスポンス」などの電子制御が利いているのでしょう。「ダイナミック・レスポンス」は、前後アクスルを個別に制御することが可能で、低速では俊敏な走りを実現するもの。少し飛ばしてもスピンの気配すらなく雪上を走破していきます。

その後「テレイン・レスポンス2」をオートにして走っても何ら問題はなく、急勾配の下り坂では、車速が2km/hから30km/hで維持される「オールテレイン・プログレス・コントロール」も試しました。アクセルやブレーキペダルを踏む必要がなく、ステアリング操作に集中できますから凍結した下り坂などでは頼りになるはずです。

オンロードのスポーツ性に重きをおいた感のあるレンジローバー・スポーツ。しかし真価はまさにオフロードにあり、レンジローバーが最も何を大切にしているのかを再確認できました。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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