クルマの軽量化ニーズ増加で「東レ」が炭素繊維事業拡大!

そうしたなか、新聞報道によると東レは今後3年で炭素繊維に過去最大となる1,000億円超を投じ、自動車市場への「CFRP」部材供給体制を本格化させる計画で、2018年の稼動を目指して愛媛県松前町の敷地に国内初となるFCスタック用部材の専用生産棟を建設するそうです。

同社は2020年前後のFCV本格普及を控え、いち早く量産体制を築き、車両価格低減に寄与する考え。

また帝人も炭素繊維の自動車用途拡大を急いでいるそうで、800億円以上を投じて米CSP(ンチネンタル・ストラクチュアル・プラスチックス) を買収、同社の販路と成形技術を活用して「CFRP」を自動車業界に売り込む計画のようです。

さらに三菱レイヨンも日米で炭素繊維工場を増強、独企業から米国内の余剰設備を買い取り、2017年中に年産能力を従来比4割増の1.4万トンに引き上げる模様。

炭素繊維業界で圧倒的な存在感を誇る東レを帝人と三菱レイヨンが追い上げる構図となりそうです。

今後、「CFRP」市場は世界的な燃費・環境規制等を背景に、車体の軽量化が進むことから急速に拡大する見込みで、コスト低減が進めば高級車のみならず、普及車への採用にも弾みが付くことになりそうです。

Avanti Yasunori・画像:トヨタ自動車/TORAY)

【関連記事】

プリウスPHV発売延期の原因?噂のパーツをトヨタが公開!
https://clicccar.com/2016/08/27/395486/

「86GRMN」は豊田章男社長が主導する「もっといクルマ」だった!
https://clicccar.com/2016/04/30/369670/

トヨタがFCV「MIRAI」の心臓部にカーボン繊維を採用!
https://clicccar.com/2014/11/30/279728/

BMW i8、i3やレクサスLFAも使う炭素繊維をバイオ技術で製造へ
https://clicccar.com/2014/09/27/270371/

Lexus LFAがまさに『走る軽量化実験室』である理由とは?
https://clicccar.com/2011/10/03/66647/

【関連リンク】

TORAY
http://www.torayca.com/

この記事の著者

Avanti Yasunori 近影

Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
続きを見る
閉じる