トヨタ・ヤリス(ヴィッツ)が勝った「WRC」って、どんなラリー?【今さら聞けない!ラリーのイロハ・その1】

トヨタGAZOORACINGのヤリスがWRC復帰2戦目で総合優勝という快挙を達成し、盛り上がるWRC:世界ラリー選手権。地上波での放送も始まり、F1より身近になるかもしれません。

国内で開催される全日本ラリーでも来場者が毎年5万人を超える大会が開催され、ラリー人気は盛り上がっています……とはいえ、一口にラリーといっても種類が色々あったり、サーキットレースのように最初にゴールした人が勝ちとも限らず、ルールが分かりづらかったりします。今回は地上波では教えてくれない、ラリーの種類を整理してみましょう。

・クロスカントリーレイド

ラリーといえば、砂漠を疾走するパジェロやランクルを想像される方も多いでしょう。昔「パリ・ダカ」と呼ばれたダカールラリーや、哀川翔さんらが参戦されていたアジアクロスカントリーなどがクロスカントリーレイドです。日々スタートとゴール地点を変えながら、旅するように競技を行います。

特徴は競技終了後、翌日のスタートまで車両修理が可能なイベントが多いこと(ラリーでは一日の競技終了後は、翌朝まで主催者による車両保管が一般的)。ボロボロでゴールしたのに、翌朝は新車同様でスタート…というのも珍しくありません。

・アベレージラリー

堺正章さんや唐沢寿明さんら、車好きの芸能人の方が昔のスポーツカーで参加しているラリーの多くはアベレージラリーという競技です。

指定されたコースを「指示された速度でどれだけ正確に走るか」を競い、「計算ラリ-」とも呼ばれます。一定の距離を指示された速度で走る訳ですが、公道ですから信号もあれば、もしかすると渋滞も……刻々替わる状況に対処する判断能力も必要です。

また、ごく短距離の「精緻に指定時間で走る」計測区間が設けられることもあります。コースの途中にチェックポイントが抜き打ちで設けられますので、ブッ飛ばしてゴール直前で時間調整…なんてことはできません。

・ラリークロス

2014年から世界選手権が掛けられたラリークロス。スタジアムなどの特設コースを5〜6台のマシンが同時に走り、「勝ち抜き方式」で勝者を決定します。昔のレースゲームイメージそのままの「接触上等」で、コ・ドライバーを乗せないのもこの競技の特徴です。なお、ラリークロスは一般道を使用しません。

・スプリントラリー

WRCや全日本ラリーではSS(スペシャルステージ)と呼ばれる区間でタイムアタックを行い、合計タイムが最も速かった人のが勝ちというスプリントラリーを採用しています。

競技区間以外の移動には公道を走行しますので、各国の交通法規に従わなくてなりません。違反すれば普通に取り締まられますし、日本では若葉マークも必要です。

昔はサファリラリーのように1イベントで5000kmも走り、リエゾン中の路肩で整備……なんてイベントも有りましたが、今のWRCではSSの距離は合計300〜400km。サービス(整備)が可能なのは1日で2か所程度です。

これから採り上げられる機会も増え、身近になるWRC/ラリー。早くも結果を出したトヨタガズーレーシング ワールドラリーチームの活躍に大注目です。

(川崎BASE)