三菱アウトランダーPHEVがEV走行の範囲を拡大させ、安全性能も向上

充電制御も改良されています。約80%までの急速充電時間を約30分から約25分に約5分間短縮したことにより利便性を向上するとともに、時間課金制の充電器を使用した際の金額面の負担軽減にもつながるとしています。

足まわりなど、走りの面でも磨き上げられています。ダンパーのバルブ構造見直しと減衰力の最適化により、操縦安定性と接地性を向上させているそうです。また、リヤのトーコントロールアームのブッシュを変更することで、直進安定性と操舵時の手応えを向上させたとしています。

また、車両運動統合制御システムの「S-AWC」も改良。雪道など滑りやすい路面で使うLOCKモードにおいて、前後のモーター駆動力制御と、ブレーキによるアクティブヨーコントロール(AYC)制御を見直すことにより、旋回性能やハンドル操作に対するコントロール性を向上。

なお、こちらの「S-AWC」の改良版には、昨冬に北海道で開催されたプレス向けの雪上試乗会で同システムを搭載したプロトタイプに乗る機会がありました。確かに、雪上など滑りやすい路面でもよりライントレース性が高く、コーナーでの安定性も高かったのが印象的でした。

安全装備も見直されています。「衝突被害軽減ブレーキ」のセンサーをミリ波レーダーからカメラとレーザーレーダーを併用したシステムにすることで、歩行者検知機能を追加(ミリ波レーダーは、ACCに使用)。また、「車線逸脱警報システム(LDW)」の警報精度を向上させるとともに、警報タイミングが最適化されています。

さらに「後側方車両検知警報システム(レーンチェンジアシスト機能付)」、「後退時車両検知警報システム(RCTA)」を新たに採用するとともに、「誤発進抑制機能(前進、後退時)」、「パーキングセンサー(前後)」をセットとしてメーカーオプションで用意されています。ほかにも、ハイビームからロービームへの切り替え、ハイビームへの復帰を自動的に行うヘッドライトシステム「オートマチックハイビーム(AHB)」も採用されています。

機能面では、ディスプレイオーディオにスマホとの連携機能を追加した「スマートフォン連携ディスプレイオーディオ」の設定がトピックスで、「Apple CarPlay」や「Android Auto」にも対応します。ほかにも、電動パーキングブレーキを新たに採用することにより、ワンタッチ操作で確実に作動できるよう変更され、「ブレーキオートホールド」の追加により、信号待ちや渋滞時にブレーキペダルから足を離しても停車状態を維持されるようになります。

新設定された最上級の「S Edition」は、ビルシュタイン製ダンパーの採用をはじめ、構造用接着剤をボディの要所に塗布することでボディ剛性を向上させることで乗り心地とハンドリングを向上させているそうです。

外観では、フロントラジエターグリル、アルミホイールをダーククローム調で統一し、BピラーとCピラーを光沢のあるブラックに、前後バンパー下部のスキッドプレートをボディカラー同色にすることで、スポーティでプレミアムな雰囲気を醸し出しています。

また、ルーフパネルをブラック色とする2トーンカラー(有料色)を「S Edition」専用色の3色(ルビーブラックパールをのぞく)に設定。さらに、ブラック塗装されたルーフレール(メーカーオプション)の選択も可能で、ルーフパネルと統一できる設定になっています。

一方の内装では、ステアリングホイールをはじめ、メーターフード、本革シートなどにレッドステッチが施され、各種パネル(インパネ、ドアトリム、コンソールアッパー、センタースイッチ)をシルバーのジオメトリック調で統一することで、外観同様にスポーティムードを演出。また、ブラックのヘッドライニングと各種トリムが採用されているほか、ペダルをアルミ製にすることで質感向上が図られています。

アウトランダーPHEVの価格帯は「M」の3,659,472円〜「S Edition」の4,789,260円です。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
続きを見る
閉じる