東京オートサロン2017のトヨタ・GAZOOブースでは、一台のレーシングマシンがひっそりと展示されていました。
これこそは、昨年のル・マン24で見事2位に入賞した「トヨタ TS050 ハイブリッド」の6号車です。日本人としては大いに拍手を送りたいところですが、それにしては紹介パネルなどもなく、あまりにもひっそりと展示されています。
あらためて、昨年のル・マン24の衝撃的な結末が頭をよぎります。本当なら優勝を決めた5号車が、3位入賞の6号車と一緒に紹介パネルに囲まれて華々しく展示され、多くのギャラリーから祝福を受けていたはずです。
ライバルを凌駕するレース運びで、優勝を目前にしながらゴール数分前にストップして失格してしまった5号車を思うと、悔しくてなりません。筆者は展示の様子を見て、レーシングチームの気合というか覚悟を感じました。
「次は必ず勝つゾ!」「優勝して、皆さんに祝福してもらうゾ!」と。
ひょっとしたら他の事情でシンプルな展示になったのかもしれませんが、筆者には、クルマとレースが大好きでやるからには進化を続け、全身全霊を振り絞って戦う姿勢を打ち出している豊田章男社長の心意気と、悔しさを肥やしにブッちぎりの勝利を目指して開発を進めるGAZOOレーシングチームの姿が、そっけない展示を通じて感じられました。
頑張れ、GAZOO~っ!
(星崎 俊浩)