そうしたなか記者会見に臨んだ豊田章男社長は、むしろこれを好機と捉え、トランプ氏が求める米国内の雇用拡大の意向に沿うかのように同社の米国における自動車生産の歴史や重みを熱弁しました。
スピーチを要約するとポイントは以下となります。
・米国生産において「カムリ」は大きなウエイトを占めており、15年連続でベストセラーカーとなっている
・新型は200ヤード先から見ても違いの判るデザインとした
・カムリの生産には同社最大のケンタッキー工場で7,700名の従業員が携わっている
・この瞬間もケンタッキー工場で1分に1台カムリが生産されている
・これまでの60年間に米国に220億ドルの投資を重ねてきた
・同社は米国の13万6,000名以上の従業員によって支えられ、30年以上に渡り、米国で2,500万台以上の生産実績を持つ
豊田社長は極めつけとして、今後5年間でさらに100億ドル(約1.1兆円)を投じる計画であることをあわせて紹介する念の入れようでした。
今回の新型カムリの発表で豊田社長は「SUVだけが栄光を独占するべきではありません。 このミッドサイズセダンの市場が米国自動車業界にとって大変大きなものであることに変わりはありません」と、原油安の影響により米国で大型ピックアップトラックやSUVに人気が集まっていることにも言及。
新型カムリでは、高い走行性能と環境性能を両立させた新型エンジン「Dynamic Force Engine」の初採用モデルとして、2.5Lの直4直噴ガソリンエンジンを搭載するとともに、全面刷新された新型トランスミッション「Direct Shift-8AT」を採用。
ハイブリッドモデルは、2.5L用のトヨタハイブリッドシステム(THSⅡ)を一新、小型・軽量・低損失化技術を、高燃焼効率・高出力の新型エンジンと組み合わせることで、優れた動力性能・低燃費を実現したとしています。
2019年にメキシコでカローラの生産を予定している件については触れませんでしたが、新車発表の場を借りて米国における貢献度を前面に押出すことで、ツイッターによる「トランプ発言」に対抗した形。
トヨタの米国基幹モデルである新型カムリ発売後の販売状況が大いに注目されます。
(Avanti Yasunori・画像:トヨタ自動車)
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