ホンダの「CES 2017」ブースでは、AI(感情エンジン)を搭載した「Honda NeuV(ニューヴィー)」、自立する二輪車の「Honda Riding Assist」のほかにも、魚の群れの動きなど、自然界から着想を得て「つながるクルマ」に役立てる「Safe Swarm」も注目です。
車車間通信で前方の道路状況や障害物の情報を共有し、合流時や車線変更時のスピードを分析、適切なスピードやタイミングでの合流・車線変更をアシスト。同技術により事故や渋滞発生を防ぐなど、自車の安全だけでなく、交通全体の流れが安全かつスムーズとなるような交通社会の実現を目指しているそう。
また、自動運転を実現する画像認識システムである「Honda HMI Concept」も提案。
タッチスクリーンとリモートコントローラーの両方の長所を取り入れた新しいインターフェースで、安全で快適な運転を可能とする新たなコクピットを示しています。
「Dream Drive」は、VR(バーチャルリアリティ)ゴーグルを装着すると、クルマの動きに合わせてVR画面の中に飲食店などの情報が表示されたり、ゲームが進行したりする技術で、HDS(Honda Developer Studio)とアメリカのDream Worksが共同開発。新たな後席向けエンターテインメントとして提案されています。
実現されれば利便性が高まりそうなのが、車内にいたままコインパーキングなどの支払いができる「In-Vehicle Payment」。車載用のアプリをより早く実用化するため、2014年にHonda Silicon Valley Lab内に立ち上げられたHonda Developer Studio(Hondaエンジニアとアプリ開発者が協業する場)とVISAが共同開発しているもので、悪天候時や夜間でもくるまから降りる必要がないため、容易に支払いができます。
「Vocal Zoom」は、Honda Xcelerator(HSVLが主体で、全く新しいモノを作ろうとしているスタートアップに対し、資金援助やコラボレーションの場やテスト用車両、ホンダのサポートなどを提供するプログラム)とVocal Zoomが共同開発している技術。騒音環境下でも車両へのボイスコマンドの伝達をより確実にし、運転に集中できる環境を整えるのが特徴。
さらに、ナノテクノロジーを使って3D表示を行うドライバー用ディスプレイ「LEIA 3D」も提案。Honda XceleratorとLEIAが共同開発しているもので、どの角度から見ても自然に見えるよう自動調整されるのが特徴。ナビゲーションや交通情報の表示などさまざまな情報の表示に活用できるそうです。
主に自動運転分野で自動車メーカーやIT企業などの他業種、大学などとの提携・協業が進んでいる自動車業界。他社とのオープンイノベーションで新たな技術を開発するという姿勢はホンダだけでなく多くの自動車メーカーでスタンダードになりつつあります。
(塚田勝弘)