背が15mm低くなったのは、燃費やハンドリング向上を狙ったものではなく、主にデザインのため。全長と同様に、室内高も15mm低くなっているものの、後席に座ってみると、頭上まわりは広々していてその影響はほとんど感じさせません。
実車で先代と新型を見比べると、新型はよりスタイリッシュになり、ロー&ワイドが強調されているのが分かります。
具体的には、全高を15mm下げ、前後トレッドを10mm拡大し、タイヤを極力外側に配したことでこうした構えを強調。
また、Aピラーを約35mm後退させたことでフロントノーズが長く見えるようになり、スピード感を感じさせるサイドの造形もあって、とくにサイドビューは伸びやかになったように映ります。
ひと目でマツダ車と分かる顔つきは、薄く低い位置に構えるヘッドランプ、LEDフォグランプベゼルなどによりワイド感を強調し、ロー&ワイドなフォルムをさらに強調。鋭くなったリヤコンビランプも少し低い位置になり、重心が下がったことを印象づけています。
詳細は別の記事でご紹介しますが、新色の「ソウルレッドクリスタルメタリック」の艶やかな「赤」も新型CX-5の見どころ。先代CX-5は、どこかボリューム感のあるフォルムでSUVらしい力感が魅力でしたが、新型CX-5は明らかにスタイリッシュで、ひと皮むけた大人の色気を感じさせます。
写真で見る以上に新型は大きく深化しているのを実感しました。
(文/塚田勝弘 写真/ダン・アオキ)