ドイツの化学会社・BASFは、同社の高温ポリアミド樹脂 Ultramid Endure(ウルトラミッド エンデュア:登録商標)D5G3 BMを使用したチャージエアダクトが、BMWの2.0リッター4気筒ターボエンジン向けに採用されたと発表しました。
チャージエアダクトとは、ターボチャージャーとチャージエアクーラー(インタークーラー)の間をつなぐパイプ状の部品です。
BASFでは、高速で回転するターボチャージャーからの振動を受けながら、「高温」・「高圧」に さらされるチャージエアダクトには、自社のUltramid Endure D5G3 BMを材料とするブロー成形が最適だとしています。
今回、自動車エンジン等を製造するマン・ウント・フンメル社(ドイツ・ルートヴィヒスブルク)が、BMWグループの2.0リッター4気筒ターボエンジン用に製造したチャージエアダクトの材料にBASFのUltramid Endure D5G3 BMを採用し、量産を開始しました。
チャージエアクーラーを搭載したターボチャージャーは、BMW 4シリーズ、 5シリーズ、7シリーズのほか、BMW X3、X4、X5など、多くのモデルに搭載されています。
従来、チャージエアダクトには ポリフェニレン硫化物(PPS)やアルミニウムなどの材料が使用されてきましたが、それらと比較してBASFのUltramid Endure D5G3 BMは、大幅にコストパフォーマンスを向上させることができます。
BASFでは、従来からチャージエアダクト向けのポリアミド樹脂を自動車業界へ提供しており、上の写真はBASFのUltramidグレードのポリアミド樹脂を使用したチャージエアダクトの一例です。
今回BASFがUltramidグレードのポリアミド樹脂に改良を加えたUltramid Endure D5G3 BMの特徴は、①熱老化への耐性が高く、②溶解安定性と膨張性が高く、溶接が容易で加工性が良く、③吸音性が高く、車両静粛化に適していることです。
Ultramid Endure D5G3 BMを使用したチャージエアダクトを搭載するBMW 2.0リッター・ターボエンジン車の登場が楽しみです。
(山内 博・画像:BASF)