米国の自動車部品大手 ボルグワーナーは、スズキの「バレーノ」にサイレントタイミングチェーンを供給すると発表しました。
ボルグワーナー製のサイレントタイミングチェーンが使用されているのは、排気量1.2LのK12C型ガソリンエンジンを搭載しているモデルで、日本では「バレーノ XS・XG」(写真はバレーノ XS)に相当するものと見られます。
バレーノに採用されたボルグワーナーのサイレントタイミングチェーンは、同社が「逆歯式」と呼ぶ最適化されたリンクバック設計とE研磨仕上げを施したことが特徴で、バレーノが生産されているマルチ・スズキの工場があるインドで現地生産されています。
このサイレントタイミングチェーンは、タイミングドライブのアームとガイドに沿ってチェーンがスライドするようになっているため、タイミングチェーンの接触面が小さくなり、構造的に摩擦抵抗を低減するのに適しています。
このようなサイレントタイミングチェーンの基本的な構造に加えて、逆歯式リンクバック設計による最適化とE研磨仕上げを施すことで低フリクション化が向上、耐久性とエンジン効率にも好影響を及ぼし、エンジンの燃料消費量を低減する効果を期待できます。
スズキ「バレーノ」へのサイレントタイミングチェーンの供給に際して、ボルグワーナー・モールスシステムズの社長兼事業本部長であるジョー・ファドゥール(Joe Fadool)氏は「当社の先進的なサイレントタイミングチェーンをマルチ・スズキに供給できることを大変嬉しく思います。当社の低フリクション技術を生かした現地生産により、当社がリードする同製品の市場における優位性をより強固にしてまいります。」と抱負を語っています。
(山内 博・画像:ボルグワーナー、スズキ)